二人の関係２：岩田剛典 (ページ5)

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同居人の彼女２ページ5

朝の4時。携帯のアラームを止める。

コンコン。ドアをノックする音。A、起こしに来てくれたんだ。

昨夜は、勝手に起きなさいとか言っていたのに。やっぱり、優しい。

昨日は、歓迎会と称して部屋飲みをした。

ここ最近、本当にたくさんのお仕事をさせてもらっていた。

この10日間ほど、Aとまともに顔を合わせられていなかった。

俺も忙しいけど、Aも大概忙しい人。

まだ何の仕事をしているか、お互いに知らなかったりする。

そんなこんなで、ようやく一緒にご飯を食べられる日が来た。

Aのことが知りたくて、ついつい色々な話しを聞き出してしまった。

お酒が飲めるAに、じゃんじゃんお酒を勧められて、同じように飲んじゃった。

携帯の時刻を確認して、もうちょっと寝られそう。

気づいたら、うとうとしていた。

ドアがノックされた後、そっと開けて中に入ってくる人の気配。

『剛典、起きて。』

「・・・・・・。」

人の気配が近くなり、とんとんと優しく俺の肩を叩いてくる。

『剛典、起きて。本当に、時間やばいから。』

「…んっ、もうちょっと。」

俯いて、寝たふりをして様子を窺う。

『だめ、早く起きて。遅刻しちゃうよ。』

今度は、背中に手を置いて体をゆさゆさと揺すってくる。

「……して。」

発した言葉は、Aの耳に届かず。

『今、なんて言ったの？』

耳を近づけてきたので、チュッと軽く耳にキスをした。

パッと顔を上げたAを見ると、ちょっと顔が赤くなっている。

マジで、かわいい。

たまらなくなり、俺は顔を伏せてクスクス笑っていた。

もう一度、顔が近づいてきた気配。今度は、ほっぺにしちゃおっかなぁ。

『剛典。』

呼ばれて顔を上げた瞬間、ほっぺにチュッとキスをされた。

「A？！」

驚いて飛び起きた俺を残して、してやったりな顔をして部屋から出ていくA。

やべぇ、ドキッてしちゃった。

急いで着替えを済まして、慌てて寝室から出てきた俺を見ている。

コーヒー片手に、リビングで新聞を読んでいる薫。