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美味しそうな首筋。そっと唇で触れてみた。我慢できない子で、すみません。
『ぁっ。』
Aから思わず漏れた、甘い声。
「ここ弱いの？」
良いこと知っちゃった。首筋に唇を這わし、たまにペロッと舐めてみた。
『や…ぁっ、んんっ…。』
くすぐったそうに身を捩って逃げようとする体を、抱き寄せる。
「落ちちゃうから。」
『剛典が止めたら、いいじゃん。』
「むーりー。」
んーっと唇を突き出して、ふざけてみる。
『やめ、きゃっ。』
ソファーから床に敷いていたラグへと落ちた。何とか、Aを庇えたけど・・・。
「いってぇ〜。」
どっか打った気がするけど、自分では見えない。
ゆっくり起き上がって、Aに見てもらおうと服を脱ぐ。
「ねぇ、赤くなってるところないか見てくれない？」
『今のところ、大丈夫かな。』
なんか、見られてる？
『ちょっと触っても、いい？』
え？なんて？
背中に触れた冷たい指先の感触に、ピクッと反応する体。
『ごめん、くすぐったかった？』
「んー、大丈夫。」
いや、大丈夫ではない。
伸びてきた指が、腹筋に触れる。
『カチカチ過ぎないのが、いい感じ。』
チラッと俺の様子を窺うように見てくるA。
腹筋から指が上がってきて、胸筋に触れて、そのまま鎖骨をなぞる。
触れられるたびに、ピクッと体が反応してしまう。際どいラインを行き来する指先。
「…ふっ…んっ。」
俺の反応を楽しんでいる様子のA。
指先でなぞっていた鎖骨に、Aの顔が近づいてきた。
ちょっと、何する気？！
生温かい感触が鎖骨を這い、ゾクゾクする俺の体。
鎖骨這う舌に意識が集中してしまっていた。
ふいにAの指が、外気に晒されたからなのか快感からなのか起き上がっていた胸の飾りに触れる。
「ちょ、な…A、…待って、ぁっ…。」
変な声でたし。まずいって、これ以上は。
『ここ感じるの？』
さっきの俺みたく、いたずらっ子の様に笑って、もう一度そこに触れた。
「ぁっ…ちょっとマジで、…だめだっ、んんっ。」
俺、Aに、キスされてる？
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作者名：薫
| 作成日時：2016年11月7日 3時
