二人の関係２：岩田剛典 (ページ2)

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同居人の彼女ページ2

「え、どういうことですか？」

不動産会社から手違いで、新居への引っ越しが延期となってしまった。

気に入っていた物件だけに、違う場所を探す気になれない。なんとか住めるように頼んでみる。

「１ヶ月ですか…わかりました。待ちますので、よろしくお願いします。」

１ヶ月後に退去する人がいるようで、とりあえず待ってみることに。

待つのはいいとして、俺住むとこないんじゃ？！(汗)

今住んでいる部屋の入居予定者決まったって、管理人さんに言われたとこだしなぁ。

明日、メンバーに相談してみようっと。

ピンポーン。インターフォンを押す。

「もしかして、留守？」

急いで、電話をかける。

「もしもし、花梨さん。あの、出てくれないです。」

≪岩ちゃん、もう着いたの？わかった、今から電話する。ちょっと、そこで待ってて。≫

「わかりました。お願いします。」

言われたとおりドア前で待機していると、LINE通知。

花帆：岩ちゃん、ＯＫ！

gun：了解！ありがとう♪

ピンポーン。再びインターフォンを押す。

ドアの向こう側から足音が聞こえてきて、ガチャッとドアが開けられる。

その瞬間、ふわっと甘い香りがして、可愛らしい女性が目の前に立っていた。

俺は、サッと帽子とサングラスを外して、礼儀正しく挨拶をした。

「こんばんは、岩田剛典と申します。突然押しかけて、すみません。」

こういうのは、最初が肝心だしね。

『こんばんは、吉井Aと申します。』

同じように挨拶してくれる、Aさん。

深々と頭を下げてから、顔を上げてニコッと笑いかけると、笑顔を返してくれた。

「今日からしばらくお世話になります。よろしくお願いします。」

『こちらこそ、よろしく。さ、どうぞ。』

部屋の中へ入るように促がされ、リビングのソファーに案内された。

それにしても、Aさん可愛いなぁ。全然、年上に見えない。

「あの、Aさんって、呼ばせてもらってもいいですか？」

思い切って、聞いてみた。一緒に住むのに他人行儀は嫌だしなぁ。

『Aでいいよ。あと、敬語じゃなくていいから。』

「じゃぁ、俺のことは、剛典で。」

『了解。』

気さくな人だ。仲良くできそうで良かった。

こうして、彼女との同居生活が始まった。