Daddy . T.Iwata

いやいや. ページ29

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『さーちゃん、あーんして。』


紗彩『いやーっ』



『えー、ほら、食べようよ。美味しいよ、』



動作も活発になって、口の方も達者になったさーちゃん。

第一次反抗期がやってきました。



何に対してもいやいや。


ほら、今日も。


スープの中のニンジンを器用に取り出して、顔を背けて。



『ほら、パクって。』


紗彩『いやだっ……』


あーあ、怒っちゃった。



こうなると、時間を置いて粘るしかない。


そんなちょっとのニンジンなのにって思うかもしれないけど。



食べ物の大切さは何歳でも変わらない、と言うのが剛典と私のルールであって。



『よし、さーちゃん。

お口あーけて。』



少量のニンジンをすりつぶして、口に運んであげる。



紗彩『……んーま。』





形が変わるだけで食べられるようになっちゃうんだもんなぁ。笑





剛典『ただいまー、あ、さーちゃんニンジン食べられるようになってる、偉いじゃん。笑』





『おかえり。』


剛典『……、お疲れ。笑』





赤ちゃんのときも大変だったけど。



今も今でぐったり。

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