再会 ページ14
その後、先ほどジスさんに質問されたことと同じような質問をホシさんにされ、同じように一つ一つ説明していたらいつの間にか"A"と呼び捨てされるようになっていた。同い年だからタメ口でいいと言われたけど、『社員』という肩書がある手前、当分私には出来そうもない。
しばらく話していると日付を越えそうだったので、明日も仕事だからと今日は解散になった。
一方私は明日から休暇だ。
朝早くに祖父母の家へ出発する予定なので、夜のうちに必要な荷物をまとめて準備をしなければいけない。今日は精神的にドッと疲れた一日だったから早く自室に戻って寝たい。
そう考え事をしながら廊下を歩いていると前方から男性数人の話声が聞こえて、とっさに先ほど曲がってきたばかりの角に戻って身を隠した。勘と今までの経験からこういう時は大体メンバーの皆さんだったりする。壁からそっと顔を出して確認すると、やはりちらほらと見覚えのあるメンバーだった。
「これから飯食いに行くけど行く人いるか？」
「え、ウジヒョンこれからですか？」
「スングァナ、腹減ってるだろ」
「僕がダイエット中なの知ってて言ってるでしょヒョン！」
「あれ、お前痩せたんじゃなかったの？」
「もうその手には騙されません！」
「あ、そ。本当にそう思ったんだけどな」
「〜〜〜っ！またそうやって！」
「スングァニヒョン部屋先戻ってますよー」
彼らの泊まる部屋は全て同じ階にあるので、ジスさんの部屋に行く時は十分に注意しないといけない。ていうか来る時よく誰とも会わなかったな私。
私が泊まっている部屋は彼らの部屋より十階ほど下なので、目の前の彼らの奥にあるエレベーターに乗らないとたどり着けない。ああ、どうかはやく部屋にお戻りください。
そう思っていると突然、後ろから肩を叩かれる。
「ひぇ…!?」
驚きすぎて変な声が出てしまった。
焦りながらも手で口を押えつつ振り返るとそこにいたのは、
「Aさん？何してるんですか？」
唯一私の存在を知っていたエスクプスさんだった。
「エ、エスクプスさん…！なんだ、びっくりした…」
「え、『なんだ』って…」
「お疲れ様です。すみません、今自分の部屋に戻ろうとしていたところで、決して誰かに会いに来たとかそういうのでは、」
「え？」
「え？」
しまった、自ら言わなくてもいいことを言ってしまった。
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作者名：曄雨 | 作成日時：2019年11月26日 4時
