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その日はとても天気のいい日で

空気が気持ちよかったから、なんだか外に出たくなって

いつも行かないところだとか

入らないお店だとか

そういうのも気になって

配信で話すネタになりそうなものとかないかなぁ、と

そう思いながら角を曲がった





「確か此処って公園があったんだっけ…」





呟きながら視線を動かした、その先


見慣れた相棒によく似た

けれど、相棒よりも透明な白い髪が

視界の真ん中で踊った


その人は、まるで世界の中心に佇むかのように

木漏れ日を浴びて白いキャンバスに筆を走らせていた

だけど、

その顔は見えなかった


綺麗な髪

綺麗な横顔

綺麗な唇

でも

当然見えるはずの、綺麗な二つの宝石は

無粋なガーゼに覆われ、見ることがかなわなかった


その姿の異様さに

俗世と乖離しすぎた美しさに

僕は、そっと息をのむことしかできなかった



どれほど経ったのかわからない


一瞬のことなのか

それとも

もう数時間経ってしまったのだろうか


公園の、大きな木の下

そよ風に囁く木の葉の音に混じって、綺麗な声が聞こえる


まるで、今この瞬間

僕とあの人だけしか世界に存在しないと、錯覚するような、永遠





『____♪…_____、星空に 描かれた

 夢物語に 飛び乗って…♪』



「っ………!」





呟くように、囁くようにその後ろ姿が言葉を詠う

聞こえた歌は、よく知っているものだった





『____、モンスターでも 弾丸でも
 何も怖くないさ 君となら……♪』





歌いながら空を見上げたその人に

僕は弾かれたように駆け寄った


一瞬、見えてしまったんだ

包帯で覆われたその下に

夜のあわいに立つ、朝焼けのような紫が見えた気がした

だから、





「、あのっ……!」


『……!』





筆を持つ、白くて細い手首を掴む


真っ白なその人が、驚いたように僕の方を向く





「な、にを、描いてるんですか……!?」


『……え?』





出てきた言葉は、あまりにも間の抜けたものだった

・→←【2j3j】ひだまりのキャンバス【kne】



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ケト。(プロフ) - ミラさん» おぉ!!聖女のヤツ続き見たいって言ってくれた方初です…!!めっちゃ嬉しいです続き思いつき次第書きますね!コメントありがとうございます! (5月22日 1時) (レス) @page46 id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 聖女Vになります。と奇々怪々明朗弧々の続きが見てみたいです☺️ これからも更新楽しみにしております (5月17日 8時) (レス) id: 9939a275dc (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - りんさん» マクロスはFと△よく見ましたねぇ…実は△の小説書いてたけど更新停止しているという……()コメントありがとうございます! (5月12日 17時) (レス) id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)
りん - ま、まさかマクロス△を知ってたなんて!!いけないボーダーラインが好きでよく見てるので嬉しいです😊べつの、ニア先生の方も見ているので応援してます👍 (5月11日 22時) (レス) id: 58cf79e6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - らむね(名前)さん» ほんっっっっっと地味に人気ですねそのシリーズ!?気が向いたら&思いつき次第ちょこちょこ更新していきます!コメントありがとうございます! (2023年2月2日 23時) (レス) id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケト。 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年4月5日 21時

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