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『あれは………何年前であったか…
記憶は疎となりて幾星霜…
もう覚えてはおりませんが、妾がまだ九尾の狐などと呼ばれてはおらぬ頃の話でございます』
妾は、その頃より人が好きで、よく人に化け人里に下りては
人の子らと戯れに言葉を交わし、共に遊び、日々を過ごしておりました
ある日、いつものように人に化け、人里に下りると
そこに祓い屋の一門が来ておりました
なんでも、この辺りに人を喰らう妖が逃げ込んできたのだとか
その祓い屋の一門は村中に結界や罠を張り巡らせ
どんなに小さな妖すらも逃がさぬようにと多くの式を辺り一帯に飛ばしておりました
愚かなことに、妾は、その結界に
祓い屋の一門にさへ、気付くことができず…
罠の一つにかかってしまったのです
反動で変化が解け、四尾の狐となってしまった所に＿＿＿
「大丈夫ですか……！？」
＿＿＿＿大層美しい人の娘でございました
黒漆の髪を艶やかに伸ばし
薄墨のような瞳はまるで銀を映したかのようでした
非道な祓い屋一門に属しておきながら心根の優しいその娘は
罠にかかった妾を助けてくれたばかりか、傷ついた足の手当てまで
その日を境に、妾はその娘に会いに行くようになりました
時には人の姿で
時には狐の姿で
幾度となく逢瀬を重ねました
気付けば互いに、心惹かれていたのでしょう
口に出さずとも、互いの気持ちに気づかぬ道理はございませんでした
そうして時が過ぎ
幾夜の果てに、二人、契りを交わしました
『…凪、凪。誓ってくれ、妾に嘘はつかぬと
ずっと、妾の傍にいると……』
「………では、日輪。私が望むのは決して涙を見せぬこと
貴方の泣き顔など見たくはないのです」
『ならば笑おう。共に歩む未来の為に』
それから幾年が経ち
彼女はある日を境に、はたと姿を見せなくなりました
どれほど待っても
どれほど願っても
彼女が再び現れることはありませんでした
もとより祓い屋と妖
決して叶ってはならぬ逢瀬でございました
けれど……
それから、途方に暮れたまま再び幾年が過ぎました
何度の季節を巡り、九尾となった妾は
帰らぬ彼女を、彼女と語らって過ごした柳の下で、待ちぼうけていた
そんな時
「ねぇ、貴方。いつもここにいるわよね
何をそんなに待っているの？
……ふぅん、変な狐ね
じゃあ私が捜してあげるから
代わりに貴方の名前を頂戴
…私？私は＿＿＿＿＿＿＿」
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ケト。(プロフ) - ミラさん» おぉ！！聖女のヤツ続き見たいって言ってくれた方初です…！！めっちゃ嬉しいです続き思いつき次第書きますね！コメントありがとうございます！ (5月22日 1時) (
レス) @page46 id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 聖女Vになります。と奇々怪々明朗弧々の続きが見てみたいです☺️ これからも更新楽しみにしております (5月17日 8時) (レス) id: 9939a275dc (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - りんさん» マクロスはFと△よく見ましたねぇ…実は△の小説書いてたけど更新停止しているという……()コメントありがとうございます！ (5月12日 17時) (レス) id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)
りん - ま、まさかマクロス△を知ってたなんて!!いけないボーダーラインが好きでよく見てるので嬉しいです😊べつの、ニア先生の方も見ているので応援してます👍 (5月11日 22時) (レス) id: 58cf79e6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - らむね(名前)さん» ほんっっっっっと地味に人気ですねそのシリーズ！？気が向いたら＆思いつき次第ちょこちょこ更新していきます！コメントありがとうございます！ (2023年2月2日 23時) (レス) id: e9bc04e793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ケト。
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作成日時：2021年4月5日 21時
