書きたいところだけ書くネタ短編集２

【FGO】管理人【男主】 ページ18

※聞いて驚け一部第6特異点以降未履修でオベロンへの愛だけでこの話を書こうとしている()






『〜〜〜〜♪……〜〜〜〜♪』




荒れ狂う波を眺めながら、バインダーを抱え直す

この景色以外にも冷たい景色を、一体何年見てきただろうか


ノウム・カルデア、またの名を「彷徨海カルデアベース」

その廊下を鼻歌とともに進んでいく


ふと、後方から小さな拍手が聞こえ振り返ると

白銀の艷やかな髪を揺らした少女と、その隣に侍る音楽家の姿を捉える




「beauté！相変わらず素敵な歌声ね、Dr.ロア！」


「うんうん、美しい旋律だったね。いつ聞いても惚れ惚れするぜ」


『マリー王妃、モーツァルトさん』




百合の花の芳しきフランス王妃、マリー・アントワネット

神に愛されし音楽家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト


華々しいフランスの栄華を背負った二人の英霊は

しかし穏やかな目でこちらを見ていた




「Bonjour、Dr.！もう、私のことはマリーさんでいいって言っているじゃない」


『いえ……そういう訳には…これは私のけじめみたいなものですから
　どうかご容赦を、王妃』


「むぅ……マシュやマスターはそう呼んでくれるのに」


「まぁまぁ、マリア。一般人には君のような高貴な人間には理解仕様のない事情がたくさんあるのさ」


「あら、私だって民の事情には耳を傾けます。だからマリーさんでいいって言ってるのよ？」


「いや、そういう事じゃないんだけどなぁ……
　悪いね、Dr.、マリアのいつもの悪い癖だ」


『ふふっ、分かってますよ。お気持ちは大変嬉しいので、あまり気に病まないでください王妃
　私個人の気持ちの問題です』


「そう……なら仕方ないけれど…気が変わったらいつでもそう呼んでくれていいのよ？」


『えぇ、ありがとうございます。……っと、すみません
　召喚室に呼ばれているので、失礼させていただきます』


「えぇ！またね、Dr.！」


「あぁ、またね」


『はい』




優雅に手をふる二人に一礼を残し、召喚室へと足早に向かった





「彼、いつも鼻歌を歌っているけれど、普通に歌っているところは一度も見たことないわね」


「……其れこそ、君には理解できないことなんじゃないか？
　もちろん僕にも。そして恐らく、彼以外の何者にもね」

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