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ラムネを持つ左手首を掴んで離さない牛沢くんのゴツゴツした男性らしい手。
冷たすぎるラムネと、温かい彼の手との温度差がなんだかむず痒い。
それにしてもこれ、どこに向かってるんだろ。
……そっか、私、宿泊学習のとき牛沢くんにこんなことしてたのか。恥ずかしすぎるから忘れてほしい。
「はい、ここ」
「ビル？……てことは、屋上？」
「大正解」
連れてこられたのは、雑貨屋や喫茶がある少し古そうなビルだった。
ビル自体に高さはないけどここに来るまで結構上り坂だったから、もしかしたら花火見えるんじゃないかな。
私の手を離し階段を登り始める牛沢くんに、別に離さなくてもいいんだけどな、なんて思いながらついていく。
「五階まで階段は、ちょっと疲れた…」
「そう？」
「なんでそんな余裕そうなの」
「部活やってるから体力はあるよ」
「うるさい、帰宅部も体力大事だもん」
牛沢くんが「俺は何も言ってないから」と笑った直後のこと。
とんでもなく大きい、ドーンという音が耳に入り込んできて、反射的に見た空には花火が上がっていた。
「すっごい…………あの木が邪魔すぎるね」
「うっわ、あんなの昔はなかった気がすんだけどなぁ」
花火は目の前の木によって半分隠れてしまっている。
惜しい。ちゃんと見えてたらめちゃくちゃロマンチックだったのに。
「昔、親と祭り来た時絶対ここから見てたんだよ。その頃は綺麗に見えてたんだけど」
「最近は来てないの？」
「友達と行くようになってからは全く」
「じゃあ久しぶりなんだね」
欠けた花火を見ながら話す二人きり。
今この角度でこの形の花火を見てるのは私達だけだと思うと、不思議な気持ちになる。
「ここ、教えてくれてありがとう」
「こんな残念スポットなのに？」
「人多いとこで見るより良いよ」
「じゃあ、Aちゃんだけに教えて正解だ」
私、だけに。
その言葉は何だか私を受け入れてくれてるようで、今まで居場所が少なかった私にとっては、とても心地良く感じた。
花火が打ち上がる音と私の心臓の音、どっちもうるさくて。
今までずっと誤魔化していたこの気持ちを、もう認めざるを得ない。
私、牛沢くんのことが好きだ。
ずっと自分の中で押し殺して否定していた"好き"を自覚した瞬間、また鼓動が速くなる。
牛沢くんは、私のことどう思ってるの？
花火を見上げる牛沢くんに、心の中でそう問いかけた。
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
