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黒板には、雑に書かれた"宿泊学習"という文字。
「じゃあ、班決め開始！」という担任の一声で教室がたちまち騒がしくなる。
この学校では毎年五月に宿泊学習がある。
学習なんて名前についてるけど、クラスの親睦を深めるための旅行みたいなものだ。
二年生は一泊二日と短めで、内容も昼にBBQをして夕方にビーチバレー、夜ご飯を食べたら山頂から星空を見て、二日目は軽く観光をして終わり。
「A、この二人と一緒でいいよねっ？」
「あっ、うん」
「Aちゃんよろしく！」
「ずっと話してみたかったんだよね〜よろしくね！」
「よろしく」
姫鳴が連れてきた二人の女の子は、「黒板に書いてくるね」と言って教卓の方に歩いて行った。
友達づくりはというと、一向に進んでいない。
進んでいないというか、やっぱり友達なんて一人いたらそれでいいや、という気持ちが勝ってしまってて行動に移せてない現状だ。
ぼーっと教室全体を見渡すと、二、三人の男子と団欒する牛沢くんと目が合った。すぐに逸らされちゃったけど。
牛沢くんのことをちゃんと認識したのはつい最近、缶コーヒーの時。なのになぜか、あの時のにやりとした笑顔と低めの声をなぜかまだ忘れられないでいる。
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「うっしーどうしよ、俺まともな服一枚も持ってへんわ」
「服とかいつものでいいだろ、誰に媚びんだよ」
「そんなん女の子に決まってるやん！」
「レトルトって意外と女に興味ありまくりだよなー」
「うっしーもあるくせに、他人事みたいに言わんで」
「うるせー！俺はまーじで、興味あるわ！」
「いやあるんかい」
宿泊学習の班決めとかいう雑談タイムのせいでガヤガヤと騒がしい教室。
いつも通りレトルトとしょうもない会話をしてる中、去年同じクラスだった友人に「今年もよろ」と告げられ黒板を見ると案の定そこには俺、レトルト、キヨ、そいつの名前が並んでいた。
てかこの時間いつまで続くんだよみんなもう班決まってるし、早く切り上げて帰らせてくれよ。
教室を見渡して暇つぶしを試みるも、たまたま女子と目が合ってしまって、慌てて逸らした。
もしかしてこっち見てた？いや、そんなわけない。
どーせキヨのことでも見てたんだろ、女子は全員キヨが好きだからな。
_______この時はまだ、ただのクラスメイトとしか思ってなかった。
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
