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「まちがえた……」
ガラン、という音を立てて自販機から落ちてきたのは缶コーヒー。
しかも私が全く飲めないブラックだった。
なんでいちごオレとブラックコーヒーを隣にするのかな。
そんなことを考えながらひたすら缶コーヒーと睨めっこをしていると、後ろから聞き覚えのある声が降ってきた。
「おっ、
レトルト。
他人に興味ない私でもさすがに名前が分かる、それくらいクラスでも目立っている男子だ。
しかし特に関わりもない私がノリ良く返事することもできないわけで、申し訳程度に軽く会釈する。
「これ、間違えちゃったの。良かったら貰ってくれない？」
「湊川さん、コーヒー飲めへんの？」
「うん。苦手」
「俺もやねん！ごめんなぁ」
なんだ、都合悪すぎる。
行き場をなくした缶コーヒーをただただ見つめ、気まずい空気が数秒流れる。
「俺、もらうわ」
短い沈黙を破ったのはさっきまで彼の後ろで眠そうに目を擦っていた男子だった。
黒縁の眼鏡に、ふんわりとした黒髪。
誰だか分からないけど、まぁいいや。助かった。
「ありがとう」
「うっしーナイス！よかったな〜湊川さん！」
そうだ。うっしー、牛沢くんだ。なんなら同じクラスだ、思い出した。
私からコーヒーを受け取った牛沢くんは、さっそくプルタブを開けてゴクゴクと飲み始める。
「ブラック、飲めるんだ？」
「当たり前」
そう言って牛沢くんはにやりと、まるで飲めない私を見下すかのように笑った。
その笑顔がなぜだか私の心をくすぐり、胸をドクンと鳴らした。気がした。
いや、馬鹿馬鹿しい。そんなわけない。
気のせいだ気のせい。
最近毎日が退屈だからって脳が勝手にドキドキさせようとしてるんだ。
鬱陶しいこの気持ちを振り払いたくて、目当てだったいちごオレを急いで買っては、逃げるようにその場から去った。
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
