2 ページ2
Oside
「守ろうと…？」
「そう」
そう言った男は、無表情ながらも纏う空気を穏やかにさせ、その言葉を全身で肯定していた
「彼は、裏に住まう俺達に手を差し伸べる救世主…、そう言えば彼は怒るけど」
ふっと吐息を吐き出すのと同時に軽く笑った男は、今までの雰囲気から一変して、ひどく若く見えた
「みんな、彼に救われたから守りたいと思っている
…それだけじゃ無いけどね」
「…俺に情報を与える事は、その"守る"って事から背くって意味じゃ無いのか？」
俺が信用する情報屋さえ口を閉ざした、過去を秘する事が守るという意味を持つのなら、それを話す男はそれを逸脱する行為をしている、と言うことになる
怪訝な表情を向けると、微かに悲しげな表情の男が目を伏せた
「確かに、秘密にする事が彼の望み…
だけど俺は、彼に幸せになって欲しい」
憂いを微かに帯びた瞳を揺らしながら、男は俺を見上げた
伏せた顔はそのままに瞳だけを向けてきた男は、震える唇を重く動かした
「みんなそう思ってる…
だからみんな、彼の望みを叶えようとしてる
けど俺は、その彼の望みこそ、彼自身を縛る事だと思ってる」
「どういうこと…？」
思わず呆然と呟く俺に一度だけ瞳さえも伏せた男はばっと勢いよく顔を上げ、鋭い瞳を向けてきた
「俺は、あんたらを信じる事に賭けたんだ！
あんたらなら、彼を救えるって！
だから誓え、彼を救うって！
そうじゃなきゃ、俺は何も喋らない！」
いきなり、まるで小さい子供が駄々をこねるように叫んだ男は、粋がりながら泣きそうに瞳を潤ませていた
それほどまでに、相葉雅紀が男にとって大切なのだと、まるで彼の親のように心が暖かくなるようだった
「大切なんだな、彼が」
思わず口から漏れた言葉に、男がパッと顔を赤く染め上げ、目を丸くさせた
……なんだか可愛い奴だな
「そ……そうだよ！悪い！？」
「いやいや、悪いとは言ってないよ
どことなく、相葉ちゃんと似てる」
闇の中にいて、染まりきらない所が、とても
拗ねたように、それでもどこか嬉しそうに頬を膨らませて赤くなっている男に、俺は深呼吸をして、拳を左胸に当てて見せた
「相葉ちゃんは俺の仲間だ
彼を救い、幸福を与えると誓うよ」
普段は緩めている目元に力を入れて、精神誠意、心を込めて伝えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 268人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» 少し難しいですね…。申し訳ありません。松岡、三宅、相葉は繋がっています。二人は警察だけど相葉は…、と言った感じです。最後にはサッパリ出来るよう頑張ります！（サッパリ出来なかったらごめんなさい） (2020年9月18日 22時) (
レス) id: c94e130b17 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - えっと。。何か松岡と三宅と相葉ちゃんが繋がってる気がするのは私の見間違い？？最後なのに絡まった糸みたいに解けない。。あー続きが楽しみすぎる！ (2020年9月17日 17時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - おぉ、、いよいよフィナーレですね。敵か味方か。破壊か再生か。楽しみです( ´艸｀) (2020年9月1日 19時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮様、いつも閲覧下さりありがとうございます！ここから、今までの打線の回収が始まります。楽しんで頂けるよう努めますので、これからも宜しくお願い致します！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: c94e130b17 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - とりあえずニノが打たれたわけじゃなくて良かったです(笑)相葉ちゃんと伊野尾は敵か味方か。更新楽しみ！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリン | 作成日時：2020年6月6日 15時
