【d!】虞犯少女 (ページ1)

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０日目ページ1

「なぁ、ほんまにあの子なん？」
「嗚呼。彼女がそうだ」

虞犯少女。

◆

我々国軍に、新たにひとりの少女が加わった。
とはいえ彼女は軍の人間ではない。
彼女は、罪を犯す虞がある――すなわち虞犯少女として、軍の監視対象となったのだった。
軍の者は皆、彼女がまだ少女であることを初日に痛いほど理解した。何気なく悪巧みをしていた兵士たちも流石にその気が失せるほど、彼女は幼く、小さかった。
「彼女がA・アリッサだ」
「よろしく…おねがいします」

彼女は８歳で、幹部のひとり、エーミールに勉強を教わることになった。エーミールは困り顔を浮かべつつもやりがいを感じたのか、いつの間にか自ら総統室に出向き、自身に満ち溢れた目で「お任せ下さい」と応えた。

［とある総統の話］
我々国でひとりの少女を迎えた。最初は、虞犯少女なんで恐ろしい奴かと思っていたが、初めて顔を見た時は心底驚いた。
白い肌。大きな赤い瞳に、すっと整った鼻。薄く色づいた唇。純粋な雰囲気を纏い、顔だけは大人びて、落ち着いてみえる。小さいといえど、抜群のスタイル。他よりも群を抜いて綺麗な少女だった。俺は初めて、人を見て目が離せなくなった。
エーミールに教育係を頼んだのを思い出し、インカムで連絡し返答を待つ。
これは、面白いことになるぞ――。そう考えてひとり笑った。

［とある幹部の話］
監視対象として虞犯少女を軍に招き入れた。俺らの仕事は彼女を見張りつつも触れ合い、彼女をまともにすることだ。
顔合わせの日、ドクンドクンと音を立てる心臓を認め、ついに彼女に目をやった。

時が止まった。気がした。

周りで息を呑む気配がした。その場に居た軍人全員が釘付けになっていた。
美しい。それ以外の言葉が考えられなかった。

近づきたい。彼女のことをもっと知りたいと思った。
幼い少女とはいえ女に好奇心を抱くのは初めてだった。

A・アリッサ。その名前を胸の内で何度も反芻した。

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・以下の内容は今回限りです。

［とあるネット小説作者の話］
『虞犯少女』をお読み下さり、本当に有難うございます。
虞犯少女のネタは『グハッ』という台詞を打つ際、予測変換に『虞犯少年』と出てきたことがきっかけです。私も初めは『虞犯』の意味が分からず、例の先生を使い調べて、意味を理解しました。ニュース記事なども読み、後にネタを思いつきました。更新は気まぐれですが出来る限り頑張ります。宜しくお願い致します。