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『えええすみません!あまりにも似ているものだから!』
「……我輩と凛月を……嬢ちゃんや、そんなに似てたかえ?」
うつむき震えながらそう問う朔間零に、喉がヒュッと鳴る。
兄弟と間違えられる、というのはアイドルでなくても地雷案件な人間が多い。まさかここで踏んでしまうなんて!
『は、はい!ほんとに、その、』
Aはもう生きた心地がしなかった。
……が、次の瞬間顔を上げた零の顔には満面の笑み。
「そうか、うんうん、そうかそうか〜〜!!やっぱ似ておるよなー、兄弟じゃからなー!」
『え、あの、え?』
「薫くん今の聞いた?我輩とりちゅ似てるって!」
「はいはい聞いた聞いた。でも星見ちゃん超怯えちゃってたからやめようね」
まさにスペースキャット状態のAの頭を、それに気づいたらしき零が申し訳なさそうに撫でる。
「はっはっは、ごめんのー、星見の嬢ちゃんや。嬉しくてつい。いくらほしい?」
『よ、よんおく……』
「軽率に金を払うな朔間!あと星見は一生働かずに済む現実的な金額を言うんじゃない!」
敬人はそう言って零をAから引き剥がすと、テキパキと彼らに指示を出し始めた。
自己紹介タイムはこれにておしまいらしい。まだAは零と敬人、颯馬の顔ぐらいしか覚えられていないのに。
『にしても、びっくりした……』
「あはは、先輩達って時々ああいう冗談言うから困っちゃいますよね」
心の中で呟いたつもりがうっかり声に出ていたらしい。しかも相槌を打たれたことに驚いて振り向けば、そこには水色の髪の中性的な綺麗な子。
「あっ突然ごめんなさい!僕はRa*bitsの紫之創と言います。よろしくお願いしますね、星見さん」
『ええ、こちらこそ。にしても本当にびっくりしちゃいました』
同年代と世間話するのはあまり慣れないが、何とか言葉を紡げば創はふわりと「わかります」と笑って頷いた。
「僕の先輩や応援してくれる方にもいるんですよね、軽率にお金を渡して経済を破綻させようとする人。そのたびに断ってはいるんですけど」
『(その先輩とかは冗談じゃなくて“ガチ”じゃないかなぁ……)』
まァそれはその名も顔も知らぬ先輩とやらのために黙っておくとして、ファンからもその対応というのはどうなんだ。
その見た目の愛らしさも相まって、この子が頭のネジが外れたファンに付きまとわれたりしないか心配になった。
『あの、迷惑なファンとかいたら言ってくださいね。私、対応しますから』
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紅鮭@くじら(プロフ) - 甘風さん» 星見のキャラを気に入っていただけてすっごく嬉しいです〜!ありがとうございます(..›ᴗ‹..) 更新がんばります!! (2022年12月9日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - みるタピさん» コメントありがとうございます!そろそろ更新速度戻す予定なのでこれからもよろしくお願いします!(⑉• •⑉) (2022年12月9日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
甘風 - とっても面白くて好きです!更新頑張ってください!星見ちゃんのキャラが良い...! (2022年12月5日 23時) (レス) @page33 id: e3065dc72d (このIDを非表示/違反報告)
みるタピ(プロフ) - とても楽しんで読ませていただいています!テスト大変だと思いますが頑張ってください! (2022年12月5日 18時) (レス) @page33 id: c5e7b71543 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - 立花さん» 立花さん、コメントありがとうございます!!正直ギャグには全然自信がないのでそう言っていただけて嬉しいです!笑 更新がんばりますね〜!! (2022年9月30日 21時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
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