検索窓
今日:41 hit、昨日:6 hit、合計:71,665 hit

phase16 ページ17

*





「お前らにやるモノなんて何一つ持ってない」

「ケッ、女の前だからっていきがってんじゃねーよ!」

「上玉だし、楽しんだ後売っちまう?」



下品な物言いに脅えるA

ルプスの腕をキュッと握り震えを抑えようとしている

そんなAを安心させようと、ルプスは最上級の微笑みを見せる



「貴女を護ります

 あいつらには指一本触れさせませんから」



そして着ていた上着でAを頭からすっぽり覆った



「何も見ないでください。すぐ終わらせます」



上着越しに小さな頭をなでてから振り向いた

対峙するために

耳で確認した通り、ならず者は五人

全身にプロテクトを発動させ先ず真ん中の男に向かっていく

恐らくリーダーであろうこの男を秒で墜とせば、周りは怖気づく

そうはならずに次々来ようがルプスは一向に構わない

全員墜とせばいいだけなのだ

相手は袋小路に逃げ込んだルプスが不利だと感じているだろう

自分たちが有利であると

これがルプスの策とは知らずに

先手必勝

相手が向かってくる前に一人目の顔面を殴りつけた

プロテクトで強化された拳で

吹っ飛んだ男が後ろの男にぶつかり、二人して地面に倒れ込み、

倒れ込んだ後も身体は後方に滑っていく

その距離が拳の威力を表すように

起き上がることのない仲間二人を見て、青ざめる残りの三人

退くのか、攻めるのか

後者

素手では勝てないと悟ったのか、ナイフを取り出す者もいれば、

カイザーナックルを付けた手を見せつける者もいた



「頭悪いんだな。まあ、ツラも性根も腐ってるけどな」



煽ったとたん、案の定三人で一斉に襲ってきた

一人でもかわされて、背後のAに近づけさせることは出来ない

まず左右の男達にボディブローを連続で喰らわす

正面から来た男のナイフはプロテクトで受け止めた

体に刺し込む感覚がなく、折れ曲がったナイフに男はおののいた



「バ、バケモンか!」

「俺にしてみたら、見境なしに人間を襲うお前らの方がバケモノだよ」



吐き捨てた言葉と同時に、懇親のアッパーカットをくれてやったルプス

上に飛び上がった男は鈍い音と共に地面に叩きつけられた



「まさかゴエモンさんとの会話が役にたつなんてな」



伝説の剣豪に憧れるゴエモンはその兵法書に心酔していた

多敵の位

壁を背に対峙すれば全力で剣にも盾にもなれる

ルプスはAの背後を窓のない壁に護らせ、

前衛の攻防に注力したのだった





*

phase17→←phase15



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (171 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
383人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:姫保 | 作成日時:2021年7月29日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。