phase26 ページ27
*
「時間旅行は楽しかったかい?」
「…どこだ?」
問いと問いを交す
「すましてないで答えろ!!
彼女は、Aさんはどこにいる?」
「用心棒として聞いているのかな?
それとも一人の男として?」
問いに問いで返す
「君のあのお嬢さんへの想いは?」
「それがお前に関係あるのか?」
問いと問いが
しばらく沈黙して、
「…頼む、教えてくれ」
絞り出すような声
「ルプス?」
「お前と話している、今この時間さえ惜しいんだ
早く、Aさんを見つけたい
彼女が側にいないのが不安でたまらない」
シャーロックに想いを吐露したルプス
敵対する相手に己の弱さを見せて懇願する
想い人の行方を
「…わかったよ」
ルプスの答えに満足したシャーロック
「推測だけど彼女は、」
話し出した途端、マルドゥクがやって来て二人に告げた
「ペントハウスの家令から連絡がきた
お嬢さんが突然現れ、ブラックダイアモンドを持って消えたとさ
「なんだと?」
「ファイナルファクトを持ってだって?」
この意味、理解できるよな?
という視線を二人に向けたマルドゥク
次は、少し動揺したシャーロックが懇願した
「…お願いだ
僕のDPDを返してくれ。仲間に確認したいことがある」
捕らわれた時、シャーロックはDPDを取り上げられていた
その中の情報を解析して、MAD JESTERSのアジトを探ろうとしたが、
セキュリティー解除ができず、エイノットが保管していた
「わかった。終わったらすぐこっちに戻せよ」
「ああ、感謝する」
微笑みをたたえた口元が真一文字になった
ルプス、マルドゥクに加え、ROWDY SHOGUNの全メンバーが取り囲む中での通話が始まる
数分で終わって、
「彼らも金ちゃんを視たそうだ」
『!?』×16
用心棒達の脳裏に浮かぶ疑問
あの金色の獅子は、A憑きではないのか?
なぜ敵対する陣営に現れたのか
「僕の大切な
『!!』×16
用心棒達の脳裏は疑問から驚愕へ
「彼女も仲間の眼前で消えた」
シャーロックが連絡をとったのは相棒であるゼロ
ゼロが預かっていたマキナの指輪は、彼の自覚なく懐から消え、彼女の掌に現れた
刹那、金色の獅子がマキナを連れ去ったという
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作者名:姫保 | 作成日時:2021年7月29日 10時