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好きです。11 ページ11

・・・
一松視点





ハッとした時はすでに終わっていた。


「……じゅ、し…まつ……?」

「……」


沈黙。


冷静になった僕の頭では今起こった事をまとめ始める。


何が起きたのか、何で起きたのか、まったくわからなかった。


十四松に慰められて、そしたら何故か涙が溢れてきた。

十四松が焦って涙を拭おうとしてくれたけど止まらなくて。


僕も必死になって溢れる涙を止めようとして。


「…一松兄さん」


十四松が僕を呼ぶ。


いつになく真剣で落ち着いた声にさっきの出来事が、

…十四松にキスをされた事が事実だと思い知らされる。


「…あのね、兄さん。ずっと言おうか迷ってたの。言ったら兄さんを困らせちゃうって思って。

でももう我慢できない、から…言う。

一松兄さん、スキだよ。

ねぇ、俺じゃ……僕じゃ、ダメ?」


そのスキの意味は、どっち?

…なんて聞かなくてもわかる。

分かってしまった。


十四松のそのスキは、


「ねぇ、一松兄さん。僕じゃダメなの?僕は一松兄さんとコイビトになれるよ。カラ松兄さんじゃなくて、僕をスキになってよ」

「じゅう、し…」


口を開いたところで僕はまた口を塞がれる。


今度はさっきのような触れるだけのキスじゃない。

唇に吸い付くような、キス。


「…っ、ちょ…っと、じゅ…っ…!」


開いた口の隙間からヌルリと生暖かいモノが入ってきた。

ソレがなんなのかをすぐに理解した僕は十四松の肩をドン、と押した。


「いっ…!」

「…っ…」


口元を両手で覆う。

十四松は尻餅をついたらしく腰の辺りを擦っていた。


「い、一松にーさん…!ご、ごめんなさい…!」


十四松がハッとした後に慌てて頭を下げる。


だけど、そんなのどうでも良い。


僕は十四松に告白された事とキスされた事でいっぱいで頭が混乱していた。


…あんなに溢れてきたいた涙も今は引っ込んでいる。


また沈黙。

すごく居づらい。


「…何、してたんだ?」


背後から聞き覚えのある声がして、十四松は顔をあげ、僕は振り返る。


そこには今、一番会いたくなかったカラ松がいた。

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設定タグ:おそ松さん , BL松 , カラ一   
作品ジャンル:アニメ
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林檎(プロフ) - 本当の完結おめでとうございます!とっても素晴らしい作品でした!次作を見るのが楽しみです!本当にお疲れさまでした! (2017年3月4日 9時) (レス) id: 05b6114aca (このIDを非表示/違反報告)
蜜年恋愛 - 一松優しすぎです!可愛い〜! (2017年1月14日 15時) (レス) id: e92a1b5105 (このIDを非表示/違反報告)
ヨナ姫(プロフ) - カラ松のやろう... この私から一松を奪いやがって... わ、私だって一松とあんなことやこんなこt((殴 スンマセン (2017年1月9日 2時) (レス) id: dc4188b9d5 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 完結おめでとうございます!すっごくよかったです。感動&キュンキュンが盛り沢山で!カラ一最高!そして十四松、貴方はやはり良い子で天使だあ!!(泣)神作品をありがとうございます!お疲れさまでした! (2017年1月9日 2時) (レス) id: 05b6114aca (このIDを非表示/違反報告)
ヨナ姫(プロフ) - いっちーー?!カラ松にそんなことするんだったら私にしろy((殴 スンマセン。 (2017年1月8日 21時) (レス) id: dc4188b9d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒茶漬け | 作成日時:2016年12月4日 21時

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