episode.30 ページ32
「おや、テスト返ってきたんですね。全教科六十点越え……数学は七十点ですか」
ドス君は私が落としたテストを見て微笑んだ
『ドス君……何で、消えそうなの?』
「分かりません。その漫画を読んでたらこんな事に」
ドス君が指を差したのは文ストの漫画だ
トリップって原作読んだら戻っちゃうの……?
「Aさん、ご褒美をあげます。何が良いですか?」
『そんなの今いいよ!!どうにかしなきゃ』
「良いんです。いずれはこうなると思っていたので」
ドス君は少し悲しそうに笑った
そうしている内にも、ドス君はどんどん消えていく
「さぁAさん。何をして欲しいですか?」
『っ……良いよ、そんなの要らないよ……』
「…………!」
すると、視界がドス君で遮られた
『…………っドスくん……!?』
「ん……っ、ご褒美だけで済ませようとしたのに」
そう言ってドス君は私の手首を掴んだ
「そんな顔されたら、連れて行くしかないじゃないですか」
『連れ……?……!ドス君、離して!』
何をされるのか察した私は必死に抵抗した
「大丈夫、此方の世界も中々楽しいですよ。貴女は僕と一緒にいられるし、僕も貴女と一緒にいられる。はは、幸せですね」
「貴女は僕だけのものです。死んでも離しません」
『っ帰れなくなったら……』
「帰る必要などありませんよ。僕が一生側にいますから。ね?何も心配ありません」
ドス君はさも面白そうに笑っている
「Aさん」
『やだ……助けてっ……お母さん……』
「A」
『!』
私はドス君の圧に押され、黙り込んでしまった
「ふふ、良い子だ。先程のを後でもう一度してあげようね」
そうして私とドス君はその場から消えた
「Aー、おつかい頼みたいんだけど……ってあら?出掛けてるのかしら」
Aの居た場所には、テスト用紙だけが残されていた
母親が娘と青年の捜索願を出すのは、もう少し後の事である
211人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さよる(プロフ) - 紅蓮さん» ですよねぇ!?ドスのヤンデレがいかに素晴らしいものかみんなに理解して欲しい…… (2023年2月6日 7時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - おっと、露西亜語調べたんですが・・・ヤンd・・・この先は言いませんが、ドスくんに物凄く合いました('ω')かっこよすぎて尊死ですよ・・・ (2023年2月4日 16時) (レス) id: 9c10c18c2c (このIDを非表示/違反報告)
零 - 和菓子さん» 銀魂の高杉さんいいですよね!? (2022年8月16日 18時) (レス) id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
さよる(プロフ) - 七巳流さん» うっっっっっわめっちゃ良い……!猟犬はなんかあれよ、独占欲強そう (2022年8月11日 18時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 大倉てる子ちゃんの小説読んでみたい、下僕になりそう、下手すりゃヤンデレかな。 (2022年8月8日 20時) (レス) @page38 id: 625ec01e21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さよる | 作成日時:2022年6月23日 18時