【文スト】帰宅したら推しがご飯食べてた

episode.29 ページ31

テスト当日


私はテスト用紙に向かい合ってシャーペンを持つ



(あ！これドス君に教えてもらったやつだ！)



という、進の研のゼミのような事を考えながら問題を解き進めた



いつもだったら空欄であろう問題も埋める事が出来た



私は一人で盛り上がっていた





家に帰ってもずっとその話をしていた



母もドス君もずっと聞いてくれた



ドス君は「楽しみですね」と言ってくれた














テストは二週間程すると返ってきた



『……え、え？ええ……？』



「さっきから、え？しか言ってないよA」



仕方ないだろう


本当にそれしか言葉が出ないのだから





返される時、先生に「良く頑張ったな」と言われた



『ああ……私、死ぬのかな……』



「否……たかが六十点じゃ死なないでしょ」



『たかがって何！？私の六十点と桜子の六十点じゃ価値が違うの！てか数学七十点だし！！』



数学はドス君と徹底的に勉強したため、頭一つ高い



……それでも、桜子の九十点には遠く及ばないが













その日はもの凄いダッシュで帰宅した




母の「おかえり」の声も無視して階段を駆け上がった





私はドアを勢いよく開け、鞄を投げ捨てた



『ドス君ドス君！私、テスト、で……』




そこには、足先と指先が消えかかって、切なそうな顔をしたドス君が座っていた




「おかえりなさい、Aさん」



私は手に掴んでいたテスト結果をバサリと落とした

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