再会 -1 ページ1
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『ようこそお越しくださいました。
ごゆっくりお体を休めてくださいませ。』
「……ああ。世話になる。」
『生憎と、ちょうど父母が出払っております。
使用人をおつけしますから、何かありましたら何なりと申し付けくださいませ。』
***
峠を越えた北の町で鬼の出る騒ぎがあったと指令があり、討伐した帰りのことだった。
このところ任務続きでろくに自宅には帰れていないし、少々体を休めたいと思っていたところに、近所に藤の家紋の家があると聞いて訪ねたのだ。
「……これはずいぶん立派な……。」
藤の家紋を掲げる家は、その性質から金銭的に余裕のある家がほとんどであるが、ここまで立派な屋敷もなかなかない。
俺はやや気後れしながらも、その門に据えられた呼び鈴を鳴らす。
しばらくして、お待ちくださいませ、という若い女の声がして、門が開いた。
「そうこそお越しくださいました、鬼狩り様。」
「ああ。しばし体を休めたいのだが。」
「ええもちろん。こちらへ。
生憎お屋敷のご主人は出ておられますので、ご挨拶もできず申し訳ございませんが。」
使用人だろうか、ひっつめ髪に前掛けをした女に通される。女に促されるまま俺は羽織を脱いで、腰につけていた日輪刀を手に持つ。
広めの座敷に通され、しばらくするとふすまがすらりと開いた。
『ようこそお越しくださいました。
ごゆっくりお体を休めてくださいませ。』
そう言って三つ指をつくのが、この家のご息女であることはなんとなくうかがえる。
彼女が顔を上げたとき、俺は思わず、あっ、と言った。
『……もしかして、冨岡様でしょうか。』
彼女もまた同じだったようで、左手を頬のあたりにあて、わずかに首を傾げた。
そして、『まあ、なんと偶然。またお会いできて、嬉しゅうございますわ。』と微笑んだ。
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瑞姫(プロフ) - 今吐露2でリアルに泣いております、、思わずよくわからない報告コメント申し訳ないですめちゃくちゃ好きですこの作品 (2020年6月24日 23時) (レス) id: 445b4986a2 (このIDを非表示/違反報告)
pink0223xxx(プロフ) - はじめまして、更新お疲れ様です。素敵な言葉遣いや雰囲気が想像がしやすくてどんどん引き込まれていきました。泣いたり笑ったり楽しかったです。応援してます! (2020年6月3日 21時) (レス) id: 086d84223c (このIDを非表示/違反報告)
おんたま(プロフ) - はじめまして。更新お疲れさまです。完成度が高くすごく素敵な作品だと思います。無理のない範囲で更新頑張ってください。応援しています。 (2020年6月3日 2時) (レス) id: 8f0607afea (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - お返事できてないお三方、コメント返信できてなくてすみません、いつも更新遅くてすみません、読んでくれてありがとうございますloveです (2020年6月2日 19時) (レス) id: 100d291aa9 (このIDを非表示/違反報告)
madoka(プロフ) - 更新お疲れ様です!ずっと待ってました〜っ!!これからも頑張ってください。 (2020年5月24日 21時) (レス) id: f3e815359c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年4月19日 22時