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 Aは、きっと圧倒的に高位のいきものだ。

 Aを初めて見たとき、手に入れようと思った。あまりにも美しくて、これこそが理想の美だと思った。攫おうと抱きすくめたら、Aはさらさらと砂にこぼれて、そして後ろから「そんなに急がなくても、いなくならないよ」と言ったのだ。「夜のうちは、いるよ」と言ったのだ。新月だった。誰もいなくて、月も星もなくて、ただそこにぽっかり浮かぶAの白い顔が、とにもかくにも美しい。千年変わらず、美しい。

「変わらないものが美しいものなのだ」

 おまえのように。川辺を歩きながら、腕に抱きかかえたまま私がそういうと、Aは可笑しそうに笑う。けらけらと、竹筒に小石を入れて転がしたような声で。

「まだ、千年しか生きていないから、そういうふうに思うのよ」

「千年だろうが、二千年だろうが、新月のたびにAが来るのに、飽いたりするはずがあろうか」

 新月のたびに、変わらないものの美しさを見せつけにくるAがいるのに、「不変」に焦がれることに飽きるはずもないだろう。Aの笑い声のかわりに、さらさらと砂の落ちる音が上のほうから聞こえてくる。見上げれば、濃藍の空のはるか上、とうてい見えないような深いところから、ひとすじ細く金の砂のこぼれ続けるのが見えた。たどっていけば、それはAの頭のてっぺんにつながっている。糸で繋がれたかいこの繭みたいに、Aは白くてやわい。そしてAは次第に小さくなる。

「じゃあ、またね」

 最後にこぶしほどの大きさになったと思ったら、Aは、しゅう、とほどけて、空に落ちていった。私はまた、新月までAを待つ。死なずに、変わらずにいたい理由は、そこにいさえすれば何度でもAが降りてくるからでしかない。
 そうしていればいつか、私もAと同じいきものになれたりしないだろうか、と思う。



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(プロフ) - 言葉のセンスが凄く好きです!!無理せず更新頑張って下さい! (2020年6月26日 23時) (レス) id: 05ec690416 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - 星猫さん» どういう意図の質問か計りかねるので答えるのが難しいですが、知ってるアニメは、いろいろです…笑 (2020年6月23日 19時) (レス) id: 100d291aa9 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2020年6月23日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - マリイさん» あいわかりました〜方向性がご希望とズレてたらスミマセン・・・ (2020年6月23日 17時) (レス) id: 218c4f48c9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで無惨様が夢主を溺愛してる話と無惨様が夢主の信者みたいになって夢主の言う事だけは聞く話見たいです 無惨様は少量の血を飲むだけで良い日光克服してる設定で 2つ別で (2020年6月23日 14時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年6月23日 0時

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