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異変 ページ2




『んで?いったいぜんたいどーゆーわけなのさ』



斬っても斬っても湧き出てくる化け物に向かって首をかしげる

今回の任務は都内の廃ホテルでの呪霊の討伐

ちゃんと資料読んでないけど、どうせ雑魚だと高をくくっていた



『そーいやこれ準一級任務なんだっけ…??』



一体一体はちゃんと雑魚だけど量がバグっている

全部同じ見た目をしていることからも本体が別にいることは明確



『どこにいんだーでてこーい』



奥の暗闇に向かって気の抜けた声をかけるも、当たり前だが返事はない



ひゅっ



刹那、背後にすさまじい気配を感じ悪寒が走る

久しくないこの感覚に薙刀の柄を握りなおす


ケタケタと気味の悪い笑い声のような声が響く


振り向きざまに右足を踏みこみ下段から切り上げる

気色悪い濁った色の皮膚が破裂し、4足歩行の呪霊の左腕が消し飛ぶ


私の術式は狭い空間では使い勝手が悪い

今の一撃も呪力を込めただけのシンプルな攻撃ではあるが、全身を切り落とすくらいの力は込めたつもりだった



『まずいな』



さっきから延々と雑魚を蹴散らしていたせいで、もともと少ない呪力はかなり消耗していた

長期戦はきついと覚悟を決めて、呪霊の真下めがけてスライディングする



“術式 エネルギー変換”



呪力を体の中心にまとめるイメージ

呪力というエネルギーを位置エネルギーに変換す(かえ)るっ!


瞬時に呪霊の真上、天井付近に転移する

そのまま重力で落下し、呪霊の頭に薙刀の穂を突き刺…


突き刺そうとした瞬間、呪霊が頭上の私に気づいて目が合った

かわされたら終わる…


避けようとした呪霊の両側頭部を落下中の足で固定し、何とか脳天をぶち抜く


残りの呪力をフルで放出


両足が着地すると共にホテルの床に穂がサクッと刺さった



『ぎりセーフ…』



尻もちをついて壁に持たれる

ここ数か月で一番やばかった

呪力空っぽで暫くそのまま目をつぶっていた


重い体を奮い立たせ、どうにか帳を解いて外に出るとすっかりあたりは夜に包まれていた



「だ、大丈夫ですかっ!」


『あー、はは、だだの呪力切れだからへーき』



スーツ姿の若い男の子が車の前でスマホを握りしめてオロオロしていた

朝送ってくれた人とは違う何度か一緒になったことのある補助監督の子だ



「かなり遅かったので、一応家入さんには高専で待機してもらってますけど…」


『おー心配かけちゃったね、ごめん私から連絡入れるわ』

ぬるま湯→←非常な日常



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作者名:ビタミンとっき | 作成日時:2023年10月5日 2時

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