第１６話 ページ16
「そう言えばさ、今まで誰かと付き合ったことあるんだろ？そいつどういうやつなの？」
「なに急に」
教室、授業中にそんなことを尋ねてきた。自習だからお喋りしても怒る先生はいない。
目の前にあるプリントと向き合いながら、エースと会話を始める。
「そいつが相当良かったから付き合ったんだろ？」
「別に好きじゃなかった。もう思いだしたくないから言わさせないでくれ」
元の世界のことは記憶がだんだんと薄れてきてそいつの顔も名前も覚えてない。
エースがそんなこと言うからなんとなく一緒にいた記憶が薄らと頭の中に過ぎってきた。
「は？好きじゃないのに付き合った？なのにオレとは付き合えないの？」
少し怒りを含む声と手首を掴んできた。力加減しろよ。
「同じことはしたくない。結局好きにはならなかった」
「そういうことね。だからオレと付き合ってくれないってことか」
「聞くけどさ、なんでエースは俺を好きになったの？エースに好かれるようなことした覚えはないけど」
監督生が言ったみたいに不本意ながらエースだけを特別扱いしてたとしても、エースが俺を好きになる可能性は高くないはずだ。
「理由がないと納得出来ないのか？」
「理由がなきゃ、俺を好きになるところなんてない」
「そんな大層な理由はないけど、絶対に言ってもお前は信じないね」
「つかさ痛いんだけど…」
いつまで経っても離してくれない手首。
「あ、悪い…」と言ってようやく解放された手首は少し赤くなっていた。赤くなった手首をもう片方の手で摩る。
「褒めても素直に信じてくれないじゃん」
「俺にいいところなんて何もないから、言われても納得出来ないね」
「なんでそんな卑屈なの、お前」
エースがAをじーっと見ると一瞬だけ目を合わせてくれた。
艶のある黒い髪に宝石のような黒い瞳、綺麗な肌にピンク色の薄い唇は吸い込まれそうになる。
ずっと見つめてくるエースに痺れを切らしたAが呆れたように「何か言いたいことでもあるのか？」と問いかけるとエースは机に突っ伏して「何でもねえよ」と返事した。
「可愛いって言っても絶対に信じねえじゃん」
頬を赤く染め、エースの呟きはAの耳に届くことはなかった。
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原(プロフ) - ももももももつつつさん» 返信がかなり遅くなってすみません。今回はエースがメインなのでバスケ部を多めに入れてみました.ᐟ.ᐟ書いていて楽しいです> < 更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (
レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - 檸檬さん» 返信がかなり遅くなってすみません。今作は監督生と男主の文章を練っているつもりなので嬉しい言葉です(；；)更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - くぁぁぁぁあ！！！ストーリーも面白いし、ジャミル、フロイドの会話も面白い！！！バスケ部最高！！！頑張ってください！！！！ (2023年2月8日 2時) (レス) @page25 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごい面白かったです！！監督生ちゃんの葛藤とか、男主くんの感じとか全部好きです！！御身体に気をつけて更新頑張ってください！応援してます(*^^*) (2023年2月8日 0時) (レス) @page25 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて大変嬉しく思います☺️更新頑張ります！ (2023年1月19日 10時) (レス) id: 767bd22d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：原 | 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/x_hara_?/)
作成日時：2023年1月11日 18時
