第1話 ページ1
「なぁなぁ」
一人で昼食取っていると聞き慣れた声が隣から振ってくる。Aの隣に腰を下ろしてさも当然のように一緒に昼食を食べることになった。
「監督生ってさ、マレウス先輩と付き合ってるって噂なんだけどマジ?」
「さぁ、知らない。本人に聞けば?」
カレーライスをスプーンで掬って口に運ぶ。咀嚼して喉に流し込む。ようやくAはエースの顔を見ると目が合った。愛想笑いを浮かべ、再び目の前にあるカレーライスを食べる。
監督生とは、唯一の学園の女の子だ。知らない人なんていないし、容姿端麗で性格もいいときたら人気者だ。
魔法が使えない俺と監督生が魔法士養成学校にいるのが矛盾してるがな。何故かこの世界に飛ばされて数ヶ月が経ったが未だに帰れず、気付いたらこの学園生活に慣れていた。
「同じ寮なのに知らねーのかよ」
「監督生が誰と付き合うと興味ないし。もしかして狙ってた?」
「別に狙ってねーよ」
エースは不服そうに眉を顰め、右手に持っているメロンパンを齧った。
「美味そうなもん食ってんな、オレにも分けろよ」
そう言うとエースはAの左手首を掴んで自身の口にスプーンを運ぶ。
「ふざけんな、金がないならバイトしろ」
「いやもうあそこでは一生バイトしたくない」
肩を竦め、ため息を吐くエース。
イソギンチャクの件がトラウマなのだろう。俺は無関係だから全く気にならないのだが。
黙々とカレーライスを頬張っていると、急に食堂がざわざわと騒がしくなった。視線を向けるとすぐに分かった。ざわざわと騒がしくしている奴らの中心に監督生がいた。
人気者は大変だ。監督生を守るようにデュースが追い払おうとするが人数的に捌ききれてないな。
可愛くて性格がいい女の子、男が当然ほっとくわけがない。当然彼女に群がるのが普通なんだ。それが男である。
ふと横を見る。相変わらずメロンパンを貪っている男、口の横に食べかすがついてマヌケな顔をしているエース。
「お前変わってるよな」
「は?何が?」
「口の横に食べかすついてるぞ」
エースはえ、嘘と声を出し、食べかすがついてない頬っぺたをごしごしと頬を擦る。
「ここ」
口の横についている食べかすを指で拭き取って、エースのジャケットで手を拭くと「オレのジャケットで拭くな!」とキレられた。
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原(プロフ) - ももももももつつつさん» 返信がかなり遅くなってすみません。今回はエースがメインなのでバスケ部を多めに入れてみました.ᐟ.ᐟ書いていて楽しいです> < 更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - 檸檬さん» 返信がかなり遅くなってすみません。今作は監督生と男主の文章を練っているつもりなので嬉しい言葉です(;;)更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - くぁぁぁぁあ!!!ストーリーも面白いし、ジャミル、フロイドの会話も面白い!!!バスケ部最高!!!頑張ってください!!!! (2023年2月8日 2時) (レス) @page25 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごい面白かったです!!監督生ちゃんの葛藤とか、男主くんの感じとか全部好きです!!御身体に気をつけて更新頑張ってください!応援してます(*^^*) (2023年2月8日 0時) (レス) @page25 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて大変嬉しく思います☺️更新頑張ります! (2023年1月19日 10時) (レス) id: 767bd22d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:原 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?/)
作成日時:2023年1月11日 18時