【ツイステ】オーバーキル (ページ12)

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第１１話ページ12

「あ～！クッソ！腹立つ！！」

朝の件で腹を立てたフロイドは授業受ける気がなく、中庭のベンチで横になっていた。

結局ユウに聞こうとした件も分からず終い。

何故Aはこうも監督生の肩を持つのだろうか？相手が雌だから？

NRCに入学してフロイドは親愛なる兄と再会を出来たことを嬉しく思っていたのに、何故か距離を置かれてるような気がした。

それは自分だけじゃなくジェイドやアズールにもそうだった。だけど他者には普通に接して笑って、飯食っている所を見てフロイドは苛立ちを覚える。

それからフロイドはAの気を引こうとした。すれ違い様に足を引っ掛けたり、わざと水をかけたりと。そしたら、やり返してくるか怒ったりしてくれるかと思っていたら、ただ困ったように微笑むだけで何もして来なかった。相手にされていないのだとフロイドは思ったのだ。

だがAはフロイドに嫌われていると思い込んでショックで何も出来なかった。ただこの場の雰囲気を壊さないように笑っていた。そうすれば大事になることはないと思っているからだ。

フロイドのやり方はまるで好きな子をいじめて、気を引こうとしていることに本人は全く気付きはしない。

何も言ってこない、何もやり返してこない。自分には笑いかけてくれない。そんなAがフロイドは「オレはAが嫌いだ」と錯覚する。

◇

「ユウさん、大丈夫？」

「はい…もう大丈夫です…すみません…私、泣いちゃって…そのフロイド先輩は何も悪くないんです…」

監督生は自分のせいで争いごとを起こさせて、申し訳ないという気持ちでいっぱいになる。男同士の喧嘩なんていつ殴り合いの喧嘩になっておかしくなかった。寮生達が駆けつけなかったらそうなっていたかもしれない。監督生は怖くなって泣きじゃくってしまった。落ち着かせるために１度監督生を部屋に連れてきた。

「怖がらせたフロイドが悪いんだから謝るのはフロイドだ。俺だって時々アイツらが怖いって思う時あるんだから、ユウさんはそれ以上だろう？」

「………っ」

微笑むAに監督生は黙った。ギュッと拳を強く握る。

「私のせいで余計に仲を悪くさせてすみません…」

「気にしないで、元々嫌われているから」

監督生を安心させるように微笑むAは、どこか悲しそうな瞳をしていた。

自分がAといることで、余計に仲を悪くさせているんじゃないかと監督生は思っていた。

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