【67】バランス ページ17
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「あ！また寝た！」
コーヒーを準備していたら、毛布に埋もれたAが視界に写った。
こうやってAの部屋のキッチンに立つことも普通になって、よくコーヒーを淹れてあげることもあるんだけど、実はAは紅茶の方が好きだってことも知っている。
俺がコーヒーの方が好きだからなんでしょ。
おばさんがいつか言ってた。
「うちはもともとほとんどお茶ばっかりで、コーヒーを淹れるのはまあくんが来たときくらいなのよ」って。
そんな事を知ってるから、Aが一人暮らしの部屋にコーヒーを買った時には最高に嬉しかったんだよね。
知らないふりしてるけど。
「今日はヨコと久しぶりに会うんだからちゃんと準備しなきゃ」
「うん、わかってる」
毛布から顔を出したAの頭を撫でると、猫みたいに気持ちよさそうな顔をして両手を伸ばしてきた。
だからそれに応えてAをぎゅっと抱きしめる。
こういうスキンシップも慣れたなあ、と思う。
昔から、いわゆる「ハグ」というものをAとは普通にしてきたけれど、大人の女の子を抱きしめるのはやっぱり少し意味が違ってくる。
それに、俺の気持ちだってあの頃とは全然違うのもある。
寝起きの隙だらけのAを抱きしめるときは、感情があふれ出してないかひやひやするんだけど、本人はいたって無頓着のようだ。
それでも求められたら抱きしめる。
安心するみたいだから。
不安になることなんて何もないよ、という思いをこめて。
「起きた？」
「起きた」
「Aおはよう」
「おはよう雅紀」
砂糖でも舐めてるみたいな甘い挨拶に聞こえるけど、実際はそうじゃない。
「ほら、ヨコに会いに行くよ」
俺達は変わらず、三人組を続けてる。
中学のときに夜の浜辺でヨコの顔を見ながら思ったこと。
大晦日の夜に気が付いたこと。
高校のときに砂のプリンを作りながら考えたこと。
その日の夜にAの部屋で決めたこと。
恋より、大切なものがある。
その恋の中心は、その大切なものの中心でもある。
簡単なことだ。
俺とヨコとみわこ。
一人かけても違う。
これが大切なもの。
ずっと続いて欲しいから、踏み込むことはしない。
だから自分の気持ちとうまくバランスを取れるようにならなくちゃ。
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りりい(プロフ) - トリコさん» いやいや、書いてる私が泣きそうですから(考えすぎ)。ハッピー雅紀ね、書きたいですよね！書かないと終われないですよね！(ハッピーな話書けない傾向にあるけど）待ってて、「サイテー」の続きをね・・・今書いてるから(もやもや)。 (2017年2月16日 21時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - いやいやいや、私が泣きそう｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡りりぃちゃん（ドキドキ)くっついた後のハッピー雅紀をそらぁもうがっつり描いてもらわにゃ！と。思ってまふ。w (2017年2月15日 22時) (レス) id: b44e167a91 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 終わらせないからー！まーさーきー！や、ありがとうございますほんとに。実は私もすごく叫びたい。まさきー！！ (2017年2月13日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 終わらないからー！雅紀！もう怒濤の更新に楽しみすぎて毎回叫んでる。いつも書き込んですいませんでも叫びたいのですー！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2017年2月13日 20時) (レス) id: 000aaf7ccb (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 裏側楽しんでいただけて嬉しい！読み直してもらえるのも嬉しい！がんばります、あと10年分くらい・・・！ (2017年2月10日 19時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年2月1日 20時
