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国歌を歌いながら車椅子を引き摺る老人、身体に包帯を巻いた者や何かを咀嚼しながら同じ場所を行ったり来たりする者。
そういえば少し前に危険な薬品の取り締まりに関してこの国は名前を上げられていたけどそれの実験台として使われたのか、はたまた使用済みを見つけ隠蔽しているのか。
ともかくそこは、収束したと言われていたものの隠蔽施設と思って間違いは無いだろう。
「なるほど。でもあの姫さんは健康体やんか、チーノのそれが正しいならロジックは破綻するんちゃうか」
「俺はあの姫さんにも何らかの形で王族に置いておけない理由があったんやないかなって。でも今回グルッペンさんとの交渉で必要になったから引っ張り出した、とかね」
「お隣が背負っとるものは随分重そうやな」
トントンのその呟きが部屋に落ちる。
まぁ最初から急に溺愛してた姫さんを嫁がせるなんておかしいと思ってたんだ。その疑いは今に始まったことではないし。黙って聞いていたグルッペンさんは彼女に思うところでもあるのか、俺の話には口出ししてこなかった。まさかもうだいぶ絆されているのか？そう視線を向けると感情の無いままに地図を見つめていた瞳が此方に向く。
一体どういう思いがあるのか、何を言われるかを身構えていればブロンドヘアの下で赤い瞳がゆらりと揺れた。
「ご苦労だったな、暫くはあの姫も隣国も様子を見る」
「え…」
「いくつか気になるところがある、戦争を吹っ掛けるのはそれを知った後でも遅くないだろ」
向こうで散々悪魔と呼ばれていた総統サマの口角が吊り上がる。やれやれと首を横に振ったトントンは今回の情報は纏めといてくれと俺に数枚白紙の報告書を渡すとじゃ、と部屋から投げ捨てられた。本当に扱いどうなってるんや…。
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ヒスイ(プロフ) - 無月さん» 一気見...！ありがとうございます。サブタイトルから内容まで触れていただいて有難いです...多忙につき更新頻度が遅いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年12月24日 7時) (
レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 初コメ失礼します｡ストーリー性が好きで一気見してしまいました｡一つ一つの題名がおしゃれでそれも見るだけでも楽しいです｡威厳のある総統様や嫉妬が混ざった総統様、伏線や色々なことがあり、とても楽しいです｡投稿体調が崩れない程度に頑張ってください (2020年12月23日 15時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
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