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「…黒魔術？」
「あぁ、古代からまことしやかに囁かれていた魔術の一種だ」
「それが？」
「この国では黒魔術が存在すると信じられている、と言っても一定層だがな」
…これはまた突拍子も無いような話題が広げられたものだ。
黒魔術。うちの国のちょっと頭の切れる上層部のアホ共なら食いつきそうな話題だが。未だその全貌はよく分かっていないがとても危険、というものの筈だ。
それがこの国で信仰してる連中が居るとは驚きだった。今まで何故知られていなかったのか。
男はそれを信仰しているのが王族や位の高い貴族だと言った。あの姫さんは置いといても、彼女の両親に当たる国王と王妃はその信仰者、となるがそれが何を意味するか。
「黒魔術信仰って、具体的に何か攻撃したりするんですか？」
「いや…分かりやすいので言えば真名を名乗らない、とかだな。この国の王族は代々死ぬまで真名を明かさないという決まりがあるらしい」
「……フローラ・ネーベルも偽名なんですか？」
食い気味に尋ねると随分姫にご執心なのねと店主は笑った。彼女とはさして関わりも無いが、まさかあの人畜無害そうな彼女が偽名なんかを使っていたとは。
この国の古い歴史の一部に刷り込まれた彼女がうちの国に来てまで偽名を名乗っているのはメディアによって名前が拡散されるのを恐れているからか。グルッペンさんにあんな扱いを受けていたのに死ぬまで名前を呼んでもらえないなんて本当に可哀想だ。
あぁいや、呼ばれる方が苦か？知らんけど。
かと言ってその黒魔術信仰を止めることも容易くはないだろう。これは少し調べなければいけないか。
良い話が聞けた、そう言ってお代を机の上に置くと先程から奥の席で此方を見つめる帽子とスカーフで顔を隠した男に一瞬視線を送ってから店主達にひらりと手を振って席を立った。
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ヒスイ(プロフ) - 無月さん» 一気見...！ありがとうございます。サブタイトルから内容まで触れていただいて有難いです...多忙につき更新頻度が遅いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年12月24日 7時) (
レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 初コメ失礼します｡ストーリー性が好きで一気見してしまいました｡一つ一つの題名がおしゃれでそれも見るだけでも楽しいです｡威厳のある総統様や嫉妬が混ざった総統様、伏線や色々なことがあり、とても楽しいです｡投稿体調が崩れない程度に頑張ってください (2020年12月23日 15時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
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