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「ゾムさん、フローラ様の手をそんなに引いて歩くのは駄目ですよ」
「姫さんやって初めての城下にそわそわしとるやろ、」
門でエーミール様と合流してすぐ、城下の賑わいが見えてきた辺り。エーミール様はぺちりと私の手を引いていたゾムさんの手を叩くと城下は逃げません、と軽く窘める。しかしもう目の前に近付いた城下に思いの外胸が高鳴るような気がして、振り返ったゾムさんの図星の言葉に小さくもしっかりと頷いた。
生まれてからずっと部屋の中で、この国に来る時も馬車のカーテンは閉められていた。だからこんなにも多くの人が生活する街を目の当たりにしたのは初めてだった。
「賑やかですね…」
「うちの国一のマーケットですからね」
「大体のもんはここで揃うで」
安価で色々な物が買える露店というのが連なったメインストリートに入ると、あちこちから活気溢れる声が飛ぶ。ゾムさんが身振り手振りで露店の説明をしてくれてさすが国の上部の人間と言うべきか、露店の端から端まで全て把握しているようだった。
どれも私には物珍しくキョロキョロと見回していると後ろから笑い混じりに姫さん、と肩を叩かれ慌てて振り返る。いつの間にやら二人を置いて数歩先に行ってしまっていたらしく、笑いを噛み殺したゾムさんにそんな調子やと迷子んなるで、と言われてしまった。
すみません、とエーミール様の元に戻ると楽しそうで何よりです、と笑われてしまい何だか恥ずかしさに
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ヒスイ(プロフ) - 無月さん» 一気見...！ありがとうございます。サブタイトルから内容まで触れていただいて有難いです...多忙につき更新頻度が遅いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年12月24日 7時) (
レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 初コメ失礼します｡ストーリー性が好きで一気見してしまいました｡一つ一つの題名がおしゃれでそれも見るだけでも楽しいです｡威厳のある総統様や嫉妬が混ざった総統様、伏線や色々なことがあり、とても楽しいです｡投稿体調が崩れない程度に頑張ってください (2020年12月23日 15時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
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