マリーゴールドの追憶 ページ1
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「持ってる情報全部吐くんだよおめぇはよ」
「俺尋問されてんの？…まぁ、ある程度は有益じゃないかと、揺するネタぐらいにはなると思いますよ」
ソファーで足を組み直したチーノは放った手帳から抜き出した地図をテーブルに広げるとまず一つ目、と人差し指を立てる。そのままとん、と中央に指が置かれる。いつの間にか執務机から離れていたグルッペンが俺の横からその地図を覗き込んだ。
地図は隣国のものであった。使っている文字や言語こそ同じだが、向こうには向こうの訛りや独特の読み方が存在し地図に書かれている名前も何となく読みづらい。まずここが王都や、と中央に描かれた城の絵と大きな字をなぞるチーノはあんたらもパーティー行っとったし場所は何となく分かってると思うけど、と言葉を続ける。
隣国は海に面した大きな王国である。歴史は古く、数百年と続く所謂ガチガチの王権国家だ。俺達はまだ10年も経たないしがない軍国な為、正直な話隣国の影響はかなり強い。海産物なんかは向こうから輸入しているものも多く、かなり恩恵にあずかっているのだが。
何せ俺達は小さな村から自分本位な王侯貴族を潰してのし上がった平民上がりの軍国なわけで。俺達の短い歴史の中で王族を殺したという実績がある以上王権国家である隣国は俺達を警戒するのだ。次は自分達かもしれない、と。
害は早い内に取り去ってしまいたいのが人間の性である。つまり今は向こうにとって殆ど停戦状態、といったところだ。表面上お互い攻めないという一応の条約の下貿易や国境等が開かれている。また交渉の一片として姫さんが送られてきたが、それがどういう意図なのか未だに掴めてはいなかった。
「オスマンが向こうがわざわざこっちに出向いてきたことを気にしとったけど、その理由がここにあったんよ」
「お前、城ん中入れたんか」
「侮られちゃあ困りますよ！」
にやりと橙の瞳が分厚いレンズの向こうで細まった。
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ヒスイ(プロフ) - 無月さん» 一気見...！ありがとうございます。サブタイトルから内容まで触れていただいて有難いです...多忙につき更新頻度が遅いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年12月24日 7時) (
レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 初コメ失礼します｡ストーリー性が好きで一気見してしまいました｡一つ一つの題名がおしゃれでそれも見るだけでも楽しいです｡威厳のある総統様や嫉妬が混ざった総統様、伏線や色々なことがあり、とても楽しいです｡投稿体調が崩れない程度に頑張ってください (2020年12月23日 15時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
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