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 本音は「必要以上に五条くんに近づきたくない」「五条くんが苦手」「怖い」と、数え切れないほどのマイナスの感情だった。
 しかし五条は自分の友人にとっての好きな人である。硝子の前で悪く言えるはずもないし、これからはいい関係を築いていくよう努めなければと自分を鼓舞するA。


(でも硝子のためだもんね……。大切な友人が私に相談してくれたわけだし……)


 迷いに迷いながらも、Aが選んだ返事は1つ。


「…分かった。聞くよ!任せて!」
「助かるわー。…あ、でもいきなり質問するのはNGね。こういうことは、ある程度距離を縮めてから聞くってのが常識だから」
「え、そんな常識初めて聞いたけど!?時間かかるしさっさと聞いた方が良くない?」
「いいのいいの。怪しまれないように気をつけてね」


 何だか強引に丸め込まれたような感覚がAを襲うが、恋する乙女が最強であることは知っているため、深くは考えないようにしたA。今は目の前の甘味に舌鼓を打つことだけを考える。

 食事を終えて、寮に戻ったAはあれやこれやと1人で考えを巡らせていた。Aは五条のことが苦手であり、彼もまた、恐らくではあるが自分のことが苦手…いや、もはや嫌いの域だった。そんな五条とどう関わりを増やしていけばいいのか。

 そんなことを考えていたら自然と眠気がAを襲い、彼女は夢の世界へと旅立っていった。



***



 これは、Aが寮で眠りについたときの話。その1つ隣の部屋では、誰にも気づかれないよう小声でこっそりと作戦会議が行われていた。


「…で、どうだったんだい?」
「こりゃだめだわ。五条には微塵も可能性はないね」
「ははっ、やっぱりか。先は長そうだ」


 やれやれと呆れたような表情を浮かべる2人は、好奇心に満ち溢れている。五条を憐れんでいるにも関わらず、その状況を楽しんでいた。
 男は顎に手を添えながら、考え込む仕草を見せる。


「悟は思春期真っ盛りで素直になれないわけだし、難しいんじゃないかな」
「案ずるでない。手は打っておいた」
「…へえ」


 女のその発言に、目の前の男は口端をくいっと吊り上げた。2人が顔を見合わせて浮かべる表情からは、ろくなことを考えていないということだけが窺えた。

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叶華(プロフ) - 更新ありがとうございます。とてもとても嬉しいです。これからも応援しております (2023年4月29日 2時) (レス) @page28 id: 2f3b00e51a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月5日 14時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - めちゃくちゃ面白いのにここで終わりなんですね(T^T)続きが気になります!!またの更新楽しみにしています (2022年6月10日 13時) (レス) id: d0808ae4c9 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - めちゃくちゃ面白いのにここで終わりなんですね(T^T)続きが気になります!!またの更新楽しみにしています (2022年6月10日 13時) (レス) id: d0808ae4c9 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ - 面白いですね!!! (2021年7月16日 21時) (レス) id: 165d0fbcd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぐー | 作成日時:2021年5月18日 1時

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