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しかし。
そんなある日のことだった。
正確に言うなら、私にとって地獄のようだった春休みの冗談が終了し、三年になって、そして私にとって悪夢のようだったゴールデンウィークの絵空事が明けたばかりの、五月八日のことだった。
例によって遅刻気味に、私が校舎の階段を駆け上がっていると、丁度踊り場のところで、空から男の子が降ってきた。
それが、相川真冬だった。
それも正確に言うなら、別に空から降ってきたわけではなく、階段を踏み外した相川が後ろ向きに倒れてきただけのことだったのだが__避けることもできたのだろうけれど、私は、咄嗟に、相川の身体を、受け止めた。
避けるよりは正しい判断だっただろう。
いや、間違っていたのかもしれない。
何故なら。
咄嗟に受け止めた相川真冬の身体が、とても__とてつもなく、軽かったからだ。洒落にならないくらい、不思議なくらい、不気味なくらいに
__軽かったからだ。
ここにいないかのように。
そう。
相川には、およそ体重と呼べるものが、全くと言っていいほど、なかったのである。
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がむしろ(プロフ) - コメント失礼します!とても面白く、原作の化物語の通りに書かれていて、読んでいてとても楽しかったです! (2022年4月13日 23時) (レス) @page1 id: b2402acd1c (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - ヒマリンさん» ヒマリンさんコメントありがとうございます!わざわざこの作品を見つけてくださり、そう言ってもらえて恐悦至極です!これからも原作通りに進められるよう頑張ります!! (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
ヒマリン - 本当に化物語の通りでした。 すごいです。 (2021年1月7日 10時) (レス) id: 88fe224ab8 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - うたねこさん» うたねこさん初めまして、感想ありがとうございます!どちらも好きな方がいらっしゃるとは…!? 緩やかですが楽しみにしていただけているのなら光栄です(*'∀`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
うたねこ(プロフ) - はじめまして!物語シリーズもまふさんも好きなのでめっちゃ嬉しいです。お話もこれからすごく楽しみです! (2020年3月22日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灰猫 | 作成日時:2020年3月20日 4時