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お昼休みになって、私は机の上にお弁当を取り出す
このクラスは少し不思議で、一部の人を除いてみんな自分の席の周りの人とご飯を食べる。私はこの席になってからは大体あゆみちゃんと。



「A弁当なの?」



神宮寺くんが、私のお弁当をみてそう言った。



「うん」


「食堂行かね?」


「弁当だっつってんじゃん」


と、私が答えると、神宮寺くんは、つめてー、と笑う。


「1人で違う制服なんて絶対浮くじゃん?恥ずかしいじゃん?」


「その辺の女の子誘えばいいじゃん?」


「仲良くないじゃん?」


「そんなの私知らないじゃん?」



そう受け答えをしていると、あゆみちゃんが前から、笑って


「行ってあげればいいじゃん」


と言った。神宮寺くんは、


「さすが吉岡!優しいね」


なんて笑う。あゆみちゃんがふふっと笑って、私のお弁当を持って、はい、と、食堂へ行くことを催促する。


「行ってらっしゃい」


と、私に手を振るあゆみちゃん、そしてお財布を取り出して行こうぜ、と、私の腕を握って歩き始める神宮寺くん。


私は渋々歩き始めた。


一緒に食堂までの道を歩いていると気付いたことがある。

神宮寺くんは目立つ。


1人違う制服、というのもあるだろう。

でもきっと、制服が同じでも同じくらいの注目を集めていただろう、

そのルックスで。


ざわつく食堂が気になって気になって、食事にあまり集中出来ない私と、もう慣れきった様子の神宮寺くん。


「神宮寺くんって、前の学校でもこんな感じだったの?」


私がそう聞くと、神宮寺くんは、ちょうど口に物が入ってる状態で、首を慌てて横に振った。
そして飲み込んだタイミングで、口を開く。


「全然。というか俺、前の学校男子校だったし」


「え、超意外」


「女の子の隣の席とか超久しぶりだわ」


「意外」


「俺も必死で平静装ってるからね」


と笑う神宮寺くん。
そんな神宮寺くんが少し可愛くて、わたしは思わず笑ってしまう。


「でもまだ喋りやすい子が隣で良かった」


ありがと、とはにかむ神宮寺くんに思わずきゅんとしてしまう。
こちらこそ、なんて少しチグハグな返答をして、私は卵焼きを頬張る。




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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです!ぜひぜひ2nd season かいてほしいです! (2019年5月7日 23時) (レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます!わたしの処女作品から!嬉しいです!拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです!!作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました!差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか?これからも続き、楽しみにしています! (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロウ | 作成日時:2017年11月12日 22時

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