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「え！？」
思いもしてなかった言葉に、私は思ってたより大きな声が出る。
そんなびっくりせんでも、と紫耀は笑うけど、私は夢を見ているんじゃないかなんて。
無意識に瞬きの回数が増える。
「あ、もしかして神宮寺と約束してる？それなら
「ううん、してない！まわる！」
わたしは紫耀の言葉を遮って勢いよくそう言う。
紫耀はそのわたしの勢いに、少しびっくりしたようで、目を丸くした後、ふは！と笑う。
「じゃあ行こ」
そう言って紫耀は、わたしの手からたこ焼きを奪って、もう片方の手でわたしの腕を取る。
紫耀が掴んでいるわたしの右腕に、全ての神経が集中するかのようにどくどくと血が流れる。
ずっと夢見ていたこの時間。わたしは焼き付けるように、すぐ斜め前でわたしの腕を握る紫耀の後ろ姿を目に焼き付けた。
このまま離れていって欲しくない。そんなわがままが、私の頭の中を占拠する。
右手が何度も、あと少しで届きそうな紫耀の手首を握ろうとするけれど、あと少し、と近付くたびに、いらない理性が働く。
「とりあえずここでたこ焼き食べよ」
と、連れてこられたのは、食堂で。あんなに願っていてもするりと紫耀の手が離れるのはいとも簡単で一瞬だった。
私と紫耀は対面で座って少しぬるくなったたこ焼きを突く。
「ん、美味しい！」
「当たり前やん！従兄弟の大吾からレシピ取り寄せてんねんで！！」
「わ、大ちゃん！懐かしい名前！」
「相変わらず元気」
紫耀とこんな風に他愛もなく学校で2人きりで喋る日が来るなんて。
想像もしてなかった展開に、私も動揺してしまう。
なんとなく、紫耀と1時間ほど色んなクラスを巡ったあと、2人で私たちのクラスの演劇を観に、体育館へ入る。
思ってたよりも客席はいっぱいで(半分以上女の子)、私と紫耀はようやく並びの席を見つけて、席に座る。
紫耀が女の子からもらったポップコーンを2人でつまみながら、空いててよかったね、と話す。
少しすると、ブーーッという機械的な音が鳴り、体育館の緞帳が上がる。
そこにはクラスメイトが立っていて、物語が始まる。
神宮寺の出番は真ん中。この物語の登場人物が出揃った、1番最後に登場する。
「Aのクラス、本気度やばない？」
と、紫耀がポップコーンを食べながら、私に話しかけてくる。
私はこくりと頷いて、
「衣装は紫耀のお母さんと選んだやつだよ」
なんて話す。
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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです！ぜひぜひ2nd season かいてほしいです！ (2019年5月7日 23時) (
レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます！わたしの処女作品から！嬉しいです！拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです！！作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました！差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか？これからも続き、楽しみにしています！ (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロウ | 作成日時：2017年11月12日 22時
