おにぃが治すから *ARS* 14 (ページ49)

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親知らずなんて、俺知らない　7　(翔) ページ49

雅紀Side

雅「はい、じゃあここからが本番だからね。

どうする? お口開ける道具つかう?
頑張って開けてられるなら使わないけど。」

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翔「んんんっ!!!」

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開口器をチラつかせながらそういうと、

大きく首を横に振った翔にぃは焦ったように口を大きく開いた。

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もういじめるのはやめようって思ったんだけどなぁ～

なんだか今日の俺って、ちょっとSっぽい?(笑)

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雅「じゃあ目の上にタオルかけるよ?
もし痛かったり違和感があったらすぐに手をあげて?
急に口を閉じるのだけはやめてね?」

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コクッとうなづく翔にぃの肩をポンポンと2回たたくと、
俺は口の中に目線を移した。

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さて、ちょこっと切開してっと・・・・

う～ん・・・削らなくてもいけそうかな。

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雅「潤、へーベルとって?」

潤「はい。

翔にぃ? 今からちょっと押される感じするからね?
頑張ってお口開けてようね?」

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雅「痛くないからね～
す～ぐ終わるから。頑張ろうね～」

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俺は親知らずに器具をあてがうと、
力を込めてグイグイと押していった。

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翔「ん・・・・んんっ・・・・んあぁ!!!」

雅「頑張れ～
はい、お口閉じないで～。あーんってしててね～?」

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じわじわとでてきた赤い液体を潤に吸引してもらいながら、
俺は最後の仕上げに入ろうとしていた。

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雅「よしっ・・・・いくよ～
ちょっと我慢!!」

ゴリッ

翔「あぁぁぁ!!!」

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雅「ほ～ら、抜けたぁ。
意外と難産だったね(笑)」

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無事に親知らずを脱臼させて、そっと引き抜いた。
思ったより難しくて焦ったよ。

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翔「ﾊｧ・・・・ﾊｧ・・・・ﾊｧ・・・・」

雅「お疲れ様。
ちゃんと頑張れたね。」

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翔「おにいひゃん・・・ﾊｧﾊｧ・・・だからな。」

雅「そうだね。お兄ちゃんだもんね(笑)」

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Aとの約束、そんなに気にしてたんだ。

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これで自慢できるね。

俺はお兄ちゃんなんだぞ。
お兄ちゃんは強いんだぞ。って(笑)

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さっ、翔にぃがAとの約束を守ってくれたところで、

俺もAとの約束を果たしましょうかね。