さとくん、寒い? しょーちゃん、痛い? 7 ページ35
智Side
和室に布団を並べて、横になってる僕と翔。
他に誰もいない家はシーンとしていて、
聞こえてくるのは、隣の翔の速い呼吸音だけ。
.
僕も同じくらい呼吸は荒いけど、横になっていると幾分ましになる。
.
.
ボーっとする頭はまったく機能しなくて、
ぼやける目で無意識に天井をみつめる。
.
こんなにしんどいの、いつぶりだろう・・・
やだなぁ・・・早く治らないかなぁ・・・・
.
.
.
翔「んんっ・・・んぁ・・・ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・うっ!!」
智「どうした?・・・気持ち悪い?」
.
うとうとしていた僕は、翔の苦しそうな声で飛び起きた。
.
.
翔「んあぁ・・やっ・・・さと・・に・・・」
智「うん。苦しいね。
ちょっと待ってね・・・・よいしょ・・」
.
翔を精一杯の力で起こして座らせると、
僕も翔の後ろに座って熱い身体を胸に寄りかからせた。
.
.
.
智「ｯﾝ・・・ﾊｧ・・ﾊｧ・・・ぅぅ・・・」
.
少し動いただけなのに、高熱の身体はすぐに悲鳴をあげる。
急に力を使ったせいで血圧が上がったのか、激しい頭痛が僕を襲った。
.
まずいな・・・こんなんで夜までもつかな・・・
.
.
.
翔「うぅっ・・・んはぁ・・・ｳｯ・・ﾝﾝｯ・・」
.
何度もえずいては苦しそうな声をだしている翔。
吐き気に耐えている体はどんどん熱くなってきて、
涙もポロポロとこぼれている。
.
.
.
そんな翔を見ていた僕も、
なんだか気持ち悪くなってきてしまった。
.
もう・・今は勘弁してよ・・・
せめて翔が落ち着くまで待って。
僕の身体・・・お願いだからもうちょっとだけ頑張ってよ?
.
.
.
智「しょ・・お?
・・ﾝｯ・・・がまん・・しなくていいんだよ?
・・・吐いたら・・・楽になるからね・・・?」
.
翔「んっ・・・いや・・だぁ・・・
・・ﾊｧﾊｧ・・・いやぁ・・・」
智「だいじょーぶ・・・ﾊｧ・・ﾊｧ・・・
・・・こわくないよ・・・ｳｩｯ・・・げぇ・・しちゃお?」
.
.
翔が吐きやすいような体勢にさせて、背中をトントン叩いてあげても、
翔は吐くのが怖いのかイヤイヤと小さく首を振って耐えてしまう。
.
このままじゃ苦しいままだし・・・
僕ももう・・・限界。
ちょっと強引だけど・・・・ごめんね。
.
.
僕は喉まで込みあがってくるものをどうにか抑えながら、
近くにあった除菌ティッシュで手を拭くと、翔の口の中に指を入れていった。
さとくん、寒い? しょーちゃん、痛い? 8→←さとくん、寒い? しょーちゃん、痛い? 6
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2012年9月28日 23時
