風邪ひき潤くん 7 ページ28
智Side
智「よ〜し、えらいなぁ。
じゃあお薬塗ってくよ〜?」
薬をしみこませた綿棒を手に持ちながら、ガーゼで舌を押さえる。
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潤「っ!!・・んっ!!・・・」
僕が指を入れた瞬間、ビクッと反応して口を閉じてしまった。
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智「ごめん、ごめん。
びっくりしちゃったね。
ちょっと舌の上に指おいておくだけだからね。
はい、もう一回あーん。」
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潤「んーん・・・・んっ・・・ｸﾞｽｯ・・・」
潤はイヤイヤと首を振るだけで、まったく口を開いてくれない。
こうなれば強行突破か・・・
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智「和、顎引いてやって?」
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和が顎を引いてくれて少し口が開いたところに、
スッと指をすべりこませた。
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舌を押さえながら同時に口も閉じないようにさせて、
さっと綿棒を構える。
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潤「んんっ・・・んぁっ・・・んん・・」
智「よ〜し、怖くない、怖くない。
大丈夫だよ〜」
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震える手で僕の腕をつかんでくる潤。
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熱があって体力も落ちてるから引っ張る力は弱いけど、
熱い手で必死にギュッと握りしめられると、ちょっとやりずらい。
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潤「ううっ!!! んはぁっ・・ｵｪ・・ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・ｳｪｪ・・んぁぁ!!!」
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苦しいねぇ・・・ごめんねぇ。
これだけ腫れてるところを綿棒でグリグリされたら痛いよね。
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智「頑張れー。
もうちょっとだよ。
お口閉じないで〜。あーんして。あー。
そうそう。上手だなぁ。」
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実際は僕らが無理やり顎を下げて口を開けさせてるわけだけど、
頑張って耐えてくれてるんだからちゃんと褒めてあげないと。
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潤「ｵｴｪ・・・ｹﾞﾎｯ!!・・うえぇ・・・んあぁっ」
潤の目からポロポロと涙が流れ始めたとき、
ようやく薬の塗布が終了した。
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少し休ませようとベッドに横にさせると、
潤は拗ねたように僕らに背を向けながら大泣きし始めてしまって・・・
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ごめんね・・・と肩に触れると、パッと手で払われてしまった。
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“頑張ったね、えらかったね”
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“苦しいの我慢できたね、強いなぁ潤”
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僕と和で口々に声をかけ続けていると、だんだん呼吸が落ち着いてきた。
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そ〜っと背中に手を当ててみる。
よかった・・・今度は拒否してこない。
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僕は“ふえぇ〜ん”と弱々しく泣き始めた潤の背中を、
ゆっくり、ゆっくり、さすってやった。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
