風邪ひき潤くん 5 ページ26
智Side
“今から病院に行こうね?”
.
“・・・・・・・うん。”
.
.
初めの一言から潤が首を縦に振るまで、
ほとんど時間はかからなかった。
.
起きた瞬間、喉が痛い、頭が痛い、関節が痛いと、体中の痛みを訴えた潤は、
自分でも病院に行かなければやばいと思ったのだろう。
.
.
素直に従ってくれるのは助かるけど、
なぜだかこう聞きたくなってしまう・・・
.
.
智「大丈夫? 頑張れる?」
.
行くって言ってるんだからいいじゃなかと思うかもしれないけど、
無理をしてるんじゃないかって心配になる。
.
嫌だって駄々をこねられたら、それはそれで頭を抱えることになるのに、
いったい僕は何を望んでいるんだろう。
.
.
.
.
“じゃあ行こうか”と潤の顔をのぞくと、目が少しうるんでいた。
ほら、やっぱり強がってるだけなんだ。
.
.
智「大丈夫だよ。
ちょっと病院行って、喉痛いの治してこようね。」
.
僕は早々に、接し方を“潤くん”仕様に切り替えた。
こうしておけば、少しでも“潤”でいる時間を延ばせるかもしれない。
.
.
せめて診察の時くらいは、落ち着いていてもらいたいから。
.
.
.
.
.
智「一応血圧測っとこうね。
ここに腕だして〜」
.
病院についてからも、
潤は抵抗することなく診察室に入ってくれた。
.
腕を出してって言ったとき、
一瞬潤の顔がこわばったように見えたけど、気のせいかな・・・
.
.
.
智「あら・・・・・・。
もう一回測っておこうか。」
.
さすがにちょっと血圧が高すぎる。
やっぱ緊張してたんだね。
.
.
智「潤、深呼吸できる?
ゆっくりすっ・・・・・・・・・じゅ・・・ん?」
.
潤に深呼吸をさせようと思ったら、逆に呼吸が早くなった。
みるみるうちに泣き顔になっていく。
.
あちゃ〜・・・・想像していたよりも早くに限界がきちゃったね。
病院の雰囲気にやられたな。
.
.
.
智「だぁいじょーぶ。
ほら、僕と一緒に深呼吸するよ〜?
はい、吸って・・・・・吐いて・・・・・」
.
血圧測定はなんとかなったけど、これから大丈夫なのかなぁ・・・
ん〜・・・・だいぶ不安になってきたぞぉ。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
