中耳炎 1 *リク ページ12
雅紀Side
智「A、お顔赤いねぇ。」
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ネクタイをしめながら
心配そうな顔でAをみつめている智にぃ。
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ソファーの上に横になってぐったりしているAを抱き上げると、
そこに静かに腰を下ろした。
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コアラみたいにぴったりと智にぃにはりついているA。
ぐずぐず言い出したAは
智にぃの胸に顔をグリグリと押し付けていて・・・
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智「う〜ん・・・しんどいんだねぇ・・・
かわいそうに。」
「ふぇ〜ん・・・ｸﾞｽｯ・・・・」
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智「だいじょうぶだよ。
おにぃが抱っこしてるからねぇ。」
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智にぃの優しい声とぬくもりに安心したのか、
泣き出してしまったAの背中を、
智にぃがゆっくりと撫でて落ち着かせていく。
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雅「智にぃ、俺代わろうか?
時間ないんでしょ?」
智「ん・・・・でもまだ大丈夫。
それにほら、もう寝そうだし。」
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出かける前だった智にぃ。
さっき“寝坊したーー”って騒いでたから、
そんなに時間に余裕はないと思うんだけど・・・
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智「・・・・・背中熱い。
熱上がるのかなぁ・・・・・。」
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胸に埋めていたAの顔をそっと横に向けさせながら、
おでこに手を当てている智にい。
Aはもう寝たみたいだけど、
頬は赤くなってきていて、泣いたことでさらに熱が上がったようだった。
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雅「智にぃ、そろそろ・・・
ほんとに時間やばいでしょ?」
智「ん?・・・・あっ!! ほんとだ!!」
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大きな声を出したことで目を開けてしまったAを見て苦笑いをした智にぃは、
再びトントンと背中をたたいて寝かしつけてから、
そっとソファーの上にAを寝かせた。
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智「あっ・・・・・・・・・・」
雅「どうしたの?」
智「僕、ちょっと着替えてくる。」
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智にぃのカッターシャツに目を移すと、
きれいにアイロンがかけられたそれは、しわだらけになっていて、
胸のところには涙のシミができていた。
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さすがにそのまま出かけるわけにはいかないもんね。
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智「じゃあ雅紀、あとはよろしくね。
もうすぐ翔が帰ってくるだろうから。」
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額に汗をかきながら家中を走りまわっていた智にぃは、
そう一言残して慌ただしく家を出て行った。
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
