おにぃが治すから *ARS* 13 (ページ19)

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中耳炎　8 ページ19

和也Side

和「そうかぁ～。
しゅんくんはいつも消しゴムを忘れるのかぁ。」

「うん・・・ﾋｯｸ・・・いつもね・・・ﾋｯｸ・・・わすれちゃったぁって。」

翔「お隣さんが忘れん坊だと大変だなぁ。
でもちゃんと貸してあげてるんだろ?
優しいなぁ、Aは。」

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効くかどうかわからない麻酔薬を耳に詰めて、今は待機中。

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まだ呼吸は落ち着かないものの、
俺らと会話までできるようになったA。

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トン、トン・・・

会話をしながらも絶えず背中にリズムを与え続ける。

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Aの手を握りながらトントンし続けて、かれこれ十数分は経った。

さすがにそろそろ腕が疲れてきたよ。

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翔にぃもAの目線までしゃがみこんでニコニコしながら、
ずっと頭の後ろを撫でてやっている。

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いつもAを落ち着かせてる技の総動員だね(笑)

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でもここまでしないと、泣き止んでくれなかったから。

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ベッドに寝かされて耳をいじられること自体、
ものすごい恐怖なんだろうね。

痛い、痛くないは関係ない。

だって、耳に触れようとしただけで大泣きなんだから。

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麻酔はあきらめようかと思ったけど、
2人でなだめながら、なんとか麻酔薬を染み込ませた脱脂綿を耳に詰めた。

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普段から泣く子をあやすことに慣れてる俺でも、
今回はさすがに大変だったよ。

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これだけ苦労して泣き止ませても、
またすぐに泣かせることになるんだよな・・・

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でも、無駄だとは思ってない。

ずっと緊張させっぱなしっていうのは、避けてあげたいし。

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和「よ～し、そろそろお薬効いてくれたかなぁ?

おにぃお耳のバイキンさん退治する準備してくるから。

翔にぃとおててつないで待っててね?」

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俺が立ち上がろうとしたときにギュッと力の入った小さな手をそっとほどいて、

翔にぃが差し出した手のひらの中に入れてやった。

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翔「よ～し、じゃあ翔にぃとお話しして待ってよう。

何のお話ししようかねぇ、A。」

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俺を不安そうにみつめていた瞳が翔にぃの方に移動したのを確認すると、

俺は準備をするために奥の部屋にそっと移動した。