雅にぃのお仕事 1 *リク ページ29
雅紀Side
潤「雅にぃ〜、俺もう全部終わったんだけど、このあと補助入ろっか?」
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最後の担当患者の治療を終えた潤が、俺の補助を申し出てくれた。
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雅「あ〜・・・・・・いいや。
ほら、今日はこのあと拓実くんだから。
また泣かれちゃうかもしれないしさ。」
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今日の予約も、残りはあと一人だけ。
俺が担当してる4歳の拓実くんはかなりの歯医者嫌いで、
初診のときはまともに診ることすらできなかった。
前回はなんとか口を開けてはくれたものの、まだ治療には入れていない。
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4歳にして初めての歯医者さんらしく、どうしても恐怖心がとれないみたい。
これだけ拒否されるのも久々だから、俺もけっこう苦労してるんだよね。
できるだけのことをして恐怖心をとってあげようとするんだけど、
なかなかうまくいかないんだ。
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母「すみません、遅くなってしまって。」
予約の時間を少し過ぎたころに、お母さんに抱かれた拓実くんがやってきた。
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雅「だいじょうぶですよ〜。拓実くん元気だった?」
怯えた様子でお母さんにしがみついている拓実くん。
今日はマスクも手袋もはずしておいたから、
拓実くんの不安も少しはなくなってくれるといいんだけど・・・
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雅「お母さん、今日は少し時間をもらってもいいですか?」
母「えぇ、大丈夫です。
すみません、いつも迷惑をかけてしまって。
言い聞かせてもなかなかいうことをきいてくれなくて・・・」
雅「いや、怖がってしまうのはしかたないことですから。
少しずつ慣れていってくれればいいんです。
よしっ、じゃあ拓実くんいこうか。」
拓「ふぇ・・・いやぁだぁーーー!!」
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それまで泣かずに耐えていた拓実くんだったけど、
俺がお母さんから拓実くんを受け取った瞬間、大声で泣き出してしまった。
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雅「だいじょうぶだよ〜
今日はね、ちょっと歯医者さん探検してみようね。
歯医者さんの中って何があるんだろ〜
ね、拓実くん。先生と一緒に探検しない?」
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まずは歯医者さんが怖くないっていうのを知ってもらわないと。
今日は拓実くんで最後だし、
ちょっと時間かけて歯医者さんのこと知ってもらおうか。
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
