おにぃが治すから *ARS* 10 (ページ26)

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翔にぃのお仕事　2 ページ26

翔Side

傷口を診てみると、けっこう傷が深くて出血も多かった。

しかも砂利の上で転んだのか、細かい砂や石が入り込んでしまっている。

こりゃ洗浄も必要だな・・・

.

さすがにこの状態で汚れを掻きだすのは痛みが強すぎるし、

麻酔してやったほうがいいだろうな。

縫合もしときたかったから、

健太くんにはちょっと頑張ってもらうしかない。

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俺は健太くんの膝に穴の開いた布をかぶせると、

手袋をはめてグッとライトを引き寄せた。

.

翔「健太くん、ちょっとお膝痛いけど我慢だよ?

すぐ終わるからね～」

俺は消毒液をしみこませた脱脂綿をピンセットでつかむと、

傷口をそっと消毒していった。

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健「うわぁぁぁん!! いたいーーー!!」

翔「ごめんね～、もうちょっと頑張ろうね～

看護師さん、ちょっと膝固定してもらっていいですか。」

.

俺は看護師が膝を固定したのを確認すると、

麻酔の注射器を手に持ってゆっくりと近づけていった。

.

健「うわぁぁぁん!! いやだぁーー!! いたいよーー!!

おかあさーーん!!」

母「健ちゃん・・・かわいそうに。

こんなに泣かせて・・・なにやってるのよ!!」

翔「今から治療していきますから。

お母さんも健太くんを励ましてあげてください。」

母「治療するったって、どうしてこんな痛い思いさせるの!!

健ちゃんこんなに痛がってるのに・・・

あなたの腕がないからじゃないの!?」

.

はたから見たらなんて理不尽な・・・って思ってしまうような光景。

でもここで反論したらさらに不信感をもたれるだけだろうから。

ここは俺が冷静にならないと・・・

.

翔「今痛みをとるための処置をしてるんです。

麻酔をしておかなければ健太くんにもっともっと辛い思いをさせることになるんですよ?

これだけは、どうしても頑張ってもらわないといけないんです。

ね?お母さん。早く健太くん楽にさせてあげましょう?」

.

そうゆっくり説明すると、お母さんもそれ以上は言い返してこなくなった。

少しはわかってもらえたのかな。