花粉症 8 ページ8
雅紀Side
あれから2日後、今日は和が帰ってくる日。
智「こ〜らA、ちゃんとこっちきて?」
「や〜だぁーー!! ぱちぱちしないーー!!」
智「ぱちぱちしないと、おめめ痒くなっちゃうよ。
ほらA・・・あっ!! 雅紀ー、A捕まえて!!」
.
ここ最近は必ずAとの追いかけっこが始まる。
ぱちぱちってのは目薬のことなんだけど、
Aはこれが嫌で毎回逃げ回るの。
.
雅「おぉっ!!
は〜い捕まえた〜
ほら、智にぃのお膝ごろんしにいくよ?」
「うわぁぁ〜ん!! やだのーー!!」
.
俺の腕の中で足をバタバタさせるA。
なんとか智にぃの膝の上に寝かせたけど、
目をギュッてつぶっちゃってて目薬をさせるような状態じゃない。
.
智「ほらA、おめめ開けてごらん?
痛くないから。ね?」
.
おととい病院から帰ってきてからさした目薬が相当しみたらしくて、
今でもそのときの恐怖心が強いみたい。
Aが思いっきりごしごしこするもんだから、
目に傷がついちゃってたんだよね。
さすがにもう傷も治っただろうし、痛くないと思うんだけどなぁ・・・
.
「いぃぃやぁぁぁーーー!! うわぁぁぁん!!」
智「まいったなぁ。」
.
どんなになだめても目を開けようとしないA。
もう・・・どうしようもないな・・・
.
.
和「ただいまぁ〜
あぁ〜久々の我が家。」
雅「かずぅ〜〜」
和「うわっ!! なに、どうなってんのこの状況!!」
.
ナイスタイミングで帰ってきてくれた和。
.
雅「いいから、ちょっと手伝って!!」
和「えっ、ちょっと・・・。なに、目薬!?」
雅「事情は後でゆっくり説明するから。
ちょっとA落ち着かせるの手伝ってよ。」
和「は・・・はぁ・・・。」
.
しばらくは状況がのみこめずに困惑していた和だったけど、
持っていたカバンをおろしてAの顔をのぞきこんだときには、
いつもの優しい笑顔になっていた。
.
和「A?」
「っ・・・・・・かず・・・に?」
.
和がすごく優しい声でAの名前を呼ぶと、
今まで暴れていたAがピタッと泣き止んで、目をゆっくりと開け始めた。
.
.
すごい・・・・和也マジックだ(笑)
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
