花粉症 5 ページ5
雅紀Side
雅「A〜、いい子に座ってて?
ほら、先生が困っちゃうでしょ?」
.
イスに座らせてもAが泣いて暴れてとても診察どころじゃない。
普段から小児の診察もしているという斗真も
Aの絶叫には困り顔をしていた。
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斗「Aちゃ〜ん、だいじょうぶ、怖くないよ〜
ちょっとお鼻のぞくだけだからね〜」
斗真も優しくしてくれてるけど、全然効果なし。
ほんとに、申し訳ないなぁ・・・
.
雅「ごめん、斗真。
俺がイス座ってA抱っこした状態でも大丈夫かな。」
斗「えっ、あぁ、大丈夫ですよ。
そのほうがAちゃんも安心できるかな。」
.
俺はAを抱きながら診察台に座ると、
くるっと向きを変えてAを斗真の方に向かせた。
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「いやだぁーー!! 雅にぃだっこぉーー!!」
雅「だいじょうぶ、だいじょうぶ。
抱っこしてるよ?
雅にぃいるから。だぁいじょうぶ。」
.
Aを安心させるために、胸とお腹に手をまわしてギュッと抱きしめながら、
耳元で優しく声をかけてやった。
しばらく胸をトントンしていると、だいぶ落ち着いてきたA。
.
斗真も、せかすことなくずっと笑顔で待ってくれていた。
ほんと、いいやつだよなぁ。
.
斗「Aちゃん、お兄ちゃんたちは優しい?」
「ん・・・ﾋｯｸ・・・・・・うん・・・」
斗「そっかぁ。じゃあ一緒に遊んでくれたりするんだ〜」
.
気付くといつの間にか斗真は白衣を脱いでいて、
持っていた診察道具も机の上に置いてあった。
斗真だって忙しいだろうに、時間をかけてAの恐怖心を減らしていってくれている。
Aもだいぶ斗真に打ち解けてきたみたいだ。
.
雅「ごめんな斗真。
時間取らせちゃって。」
斗「いいんですよ。
僕だってAちゃんと仲良くなりたいし。ね〜」
「・・・ん・・・・・・・・とーま?」
斗「ん? そうだよ〜斗真。
雅にぃ聞いてました?
Aちゃんが僕の名前呼んでくれましたよ!!
うれしいなぁ〜」
.
純粋に喜んでる斗真。
なんかこういうところ、昔から変わらないよな〜
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
