風邪 5 (雅紀) ページ16
翔Side
ふらふらの雅紀をベッドに寝かせ、
俺は体温計を取りに行くことにした。
翔「じゃあ体温計持ってくるから、寝て待ってて。」
雅「しょうにぃ…」
翔「ん?どうした? すぐ戻ってくるから、ちょっと待っててな?」
俺は涙目の雅紀をなだめて、急いで体温計を取りに行った。
部屋の前まで戻ってくると、ｹﾞﾎｹﾞﾎと苦しそうな咳が聞こえてくる。
こりゃ重症だな…
翔「雅紀、しんどいなぁ。
ちょっと熱はかろうか。」
雅「んん…」
体温計をはさもうとするが、雅紀は脇を開かないように抵抗している。
翔「熱はからないと。大丈夫だから体の力抜いて?」
雅「はからなくてもだいじょぶ…」
翔「大丈夫なわけないだろ；
俺これでも医者なんだから、病人ほっとくわけにはいかないの!
ほら、これ脇にはさんで。」
雅紀はだいぶ渋ってたけどなんとか体温計を受け取ってくれた。
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
雅「う゛…」
体温計を見た雅紀が顔をしかめた。
翔「どれどれ。雅紀、体温計かして。」
雅「いや…そんなに熱なかったから大丈夫。」
まったく…そんなわけないだろ；
「いいから。」とサっと雅紀の手から体温計を抜き取ると、雅紀は小さく「あっ…」と反応した。
翔「げ!?38.7；」
雅「しょうにぃ…病院行かなきゃダメ?」
さっきからなんでこんなに熱はかるのを拒むのかと思ったら、そういうことか。
今回は自分でも熱があるっていう自覚があったんだろうな。
まったく、どんだけ病院行きたくないんだ・・・
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2011年12月16日 21時
