【Fischer's】水魚之交 III【短編集】

ンダホ：地雷原 ページ21

ンダホにしょうもないミニドッキリを1週間程掛け続けている。何故こんな事を始めたのかと言うと動画のコメントで「ンダホにドッキリをかけ続けて何日目で怒るのか見てみたい」と言う意見や検証依頼が多かった事にある。
見てる方は知らないだろうが、映していないだけで彼は結構怒る。でもそれは俺や友達にではなく物や自分自身にだけだ。だから俺も少し気になって限界が何処なのか探る事にしたと言う訳だ。

だが1週間と1日目。俺はここに来て今更だが薄々気付き始めていた。こいつは良い奴だから余程の地雷を踏み抜かないと怒らないと。つまりこのまま何もなくンダホがドッキリにかかりまくる動画ではお蔵になってしまうと。だから

『それで私に頼む、と…』
「じゃあ説明した通りにお願いしていい？」
『心が痛いよぉ？』

彼女であるAに協力を依頼した。題して、私の事好きならフィッシャーズ解散してよドッキリ！
…はい。タイトルで全て説明したので早速隠しカメラを設置してンダホとAの二人きりにします。俺とモトキは外でモニタリング。

『最近、動画投稿忙しいの？』
「んーまあ。忙しいって程疲れないけどね」
『そう。何かだから、あまり私と会ってくれないよね』

1週間もドッキリに掛けられてきたおかげで警戒心は高まっていた筈が、相手がAと言うだけあって疑っていなさそうだ。そこでAは勝負を掛ける

「確かにあんまり会えてなかったね、ごめん」
『…ダホちゃんは私の事まだ好きなの？』
「そりゃあ、好きだよ。」
『なら私の事一番に考えてくれるよね？だって私彼女なんだし。』

Aの演技は申し分無し、良い具合に面倒臭い女子を演じている。後はもう強気で押し切るだけだ

『私フィッシャーズ嫌いなの。私からダホちゃんを取るくせに態度が悪くて可哀想な事ばかりして。あんなグループにいないで欲し──』
「A！！」

ンダホは泣きそうな彼女の顔を見ぬままテーブルを思い切り叩き静まり返らせた。俺とモトキは二人で地雷踏み抜いたなと思いながら、突入の姿勢になる。

「…全然会えてなかったのは俺が悪かった。でもフィッシャーズと、メンバーの事をそんな風に言うのは今関係ないよね？謝ってよ、今すぐ！」

「お前が謝れ！！」
流石に怖いと感じたので、急いで仲裁に入ると、ンダホは困惑Aは泣き出す動画はお蔵。お詫びに二人にはディズニーランドのペアチケットを買ってあげた。マジでごめんな二人共

END

　

シルク：こっち向いて→←ぺけたん：寂しい背中、優しい背中。

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