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熱 Masaki ページ30

彼女が熱でダウンした。


それを知ったのは1日が終わる数時間前の帰宅中の事。


慌てて家まで飛んでいき、インターフォンを鳴らせばドアの隙間から額に冷却シートを貼ったパジャマ姿の彼女が辛そうに出てきた。


「リンゴ買ってきた。食べれる?」


「まーくん...ごめんね..」


「良いから。とりあえず中入れて」


ドアに手を添えて開けるように催促すれば素直に言うことを聞いてくれた。


立ってるのもやっとだと言わんばかりに壁に身体を預ける彼女の腰を掴んで持ち上げる。



「えっ、あっ、ま、まーくん!いい!いいよ!」

「いや、良くないでしょ。病人は大人しく言うこと聞きなさい」



そのままリビングを通り抜けて寝室のベッドへとゆっくり彼女を降ろした。

冷却シートが端から剥がれそうになっていたのでそれを取り、冷蔵庫から新しいのを出して貼り直せば冷たかったのか瞼をギュッと閉じた。



「気持ちいい...まーくん、ありがとね」



掛け布団を両手で握りしめて鼻下まで持ち上げる彼女は嬉しそうに微笑んだ。



「買ってきたりんご剥いてくるからちょっと待っててね」


「なにからなにまで、ご迷惑をお掛けします...」


「はは。何言ってんの、彼氏なんだからこれくらい当然だよ」


「うん。まーくん、大好き」



普段は照れ臭くて言えないくせに、弱ってる時はめちゃくちゃ素直な彼女だからこそ甘やかしたくなるんだって本人は気付いてないんだろうな。


無意識に彼女の唇に自分のを重ねれば、驚いた表情で目を見開かれる。



「風邪!風邪うつるから!」


「良いじゃん。そしたら早く治るよ?笑」


「よよよくない!だめ!川上さん達に怒られちゃうから!」


「大丈夫大丈夫〜」



慌てる彼女を他所に俺は寝室から出てキッチンへと向かった。


こんな時の為に同棲した方が良いのかな、なんて思いながらリンゴを剥いて小皿に盛る。



「俺らさ、こんな時の為に同棲した方が良いかもね」


「えっ?」


「俺が風邪引いたら看病してね」



寝室に戻ってリンゴを差し出せば、口を開けて食べてくれた。


うん、やっぱり同棲したいな。


そしたら安心できるし。


「まーくんと同じ家に居れるとか私ダメになりそう」


「はは。ちゃんと分担しようね」


汗ばんで額に張り付いた前髪を払えば頷いて瞼を閉じた。


おやすみ、A。

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抹茶ミルク(プロフ) - ねこもちさん» 感想ありがとうございます!ご指摘ありがとうございます!そういうの凄く助かります。他にも気になる点などございましたら遠慮なく言ってください!重ねてお詫び申し上げます。ありがとうございました(^-^) (2018年10月2日 0時) (レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)
ねこもち(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!すみません、1話の[Alexandros]のスペルが[Alexandoros]になっていて、私的には問題は無いのですが、一応報告させて頂きます。図図しくてすみません。これからも頑張ってください!楽しみです! (2018年10月1日 23時) (レス) id: e73785f408 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ミルク(プロフ) - umiさん» はじめまして。この度は読んで頂きまして誠にありがとうございます!とても嬉しい感想を頂き、光栄に思います。今後ともよろしくお願いします! (2017年12月21日 21時) (レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 感動して涙してしまいました。切ないけど、私はとても好きな物語でした、ありがとうございます(^ ^) (2017年12月21日 21時) (レス) id: 3b0313e513 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ミルク(プロフ) - 、さん» 不慣れなもので、不快にさせてしまい申し訳ございませんでした… (2017年12月15日 22時) (レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:抹茶ミルク | 作成日時:2017年12月11日 19時

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