優 し い カ レ シ (黄)

2日目 ページ3

照くんは仕事をしていて日中は家に居ないけど、

夜から朝まで泊まって私の世話をしてくれるらしい。



体が万全じゃない私の為に朝ご飯も用意してくれたし、

出勤まで私との思い出をたくさん聞かせてくれた。



仕事が終わったらここへ戻ってくると言っていたから、少しそれが楽しみになってる。



『記憶ないまま2日目か…、何も思い出さないなあ…』



1人ベッドに腰掛けて部屋を見渡す。携帯も事故で壊れて手がかりはない。



それからこの部屋。



寝室にしては何も無い。クローゼットと化粧台はあるけど、殺風景と言っても過言じゃない。



私、余分な物は置きたくない性格だった？



モヤモヤする。多分そんな性格じゃない。



『あんまり歩き回るなって朝に言われたけど、いっか』



寝室を出て正面にある扉は恐らく照くんが言っていた私の勉強部屋。



入らない方がいいって言われたから、多分色んなものが置いてあるんだろう。



見るにしてももう少し経ってからがいいよね…。



せっかく気遣ってもらってるんだし。




『こっちがリビングとキッチン…』



テレビ台の前には2人がけぐらいのソファ、それから台の下の棚にはカメラのレンズが並んでる。



レンズ…？？



『カメラなんて私趣味だったっけ…』



寝室が殺風景だと感じだ時と同じモヤモヤ。



さては照くん…？



趣味なのかな…、帰ってきたら聞いてみよう。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す