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【3/10】忘れ物@じゃすたうぇい ページ7

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「……そっかあ。もう三月か」



マンションから見える、ビル街の灰色の景色の所々に、水玉模様のごとく浮かぶ桜色。
暖かい陽気に照らされたソメイヨシノが、その桜色を光らせて春の訪れを告げている。




ーーーー現在、二十歳。

独り身でワンルームマンションに暮らす私にとっては、残念なことに花見をする相手さえ居ない。
居たとすれば、それはとうの昔。
一般的に、独身の身と言われる悲しげな立場なのだ。

そんな私は、会社の休暇をだらだらと過ごし、現に今部屋の掃除をする事くらいしかやる事もないのである。






「……取り敢えず掃除終わらせよ」



私は、止まって居た手を再び動かし、使わない冬服の入った段ボールを押入れに詰める。


しかし、長年閉まりっきりだった押入れを覗いた奥に、何やらアルバムのような形をした物が目に入ってしまった。




「あ……」









随分と昔に見覚えのある、本。



ーーーー……高校卒業の、アルバム。



赤い生地で包まれた、クリアファイルサイズの大きさの本。
辞書のように分厚いそれは、ページの一枚一枚にまで埃が積もっている。






卒業して、二年の歳月。

あれほど仲の良かった友人とは、それきり一度も顔を合わせて居ない。
何となく自然消滅してしまった恋人とも、未だ連絡はつかない。







「まあ、先生言ってたもんな。
卒業したら一生の別れだとか」






当時は馬鹿にしていた言葉だが、二年も経った今ならそれを良く実感出来た。


しかし、痛い思い出も蘇るのはいささか気に障る。









「ーーーー……″ぐる″」





小さく唇から紡いでみた二言は、その小ささに似合わず重みを帯びていた。

俗に後悔と表すのだろうそれは、とても愛おしくて、同じくらいに痛い。
まさか、喧嘩別れの卒業を迎えるとは思っていなかったのだから。





大好きだった彼と、最悪な結末を迎えるとは。

【3/10】忘れ物 (後編)@じゃすたうぇい→←【3/9】此処からも、貴女の隣からも。後@まゆおん



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相川りい@千里嫁(プロフ) - ああああああ参加できなくてすいません!!いろいろあって!いやもう言い訳通用しませんよね!ごめんなさい!でもみなさんの文章素敵です! (2014年3月25日 16時) (レス) id: 270c8cb67b (このIDを非表示/違反報告)
咲和@甘党加湿器はネ申(プロフ) - お疲れ様でした!昨日卒業式でした(´;ω;`)この小説見て中学でも頑張ろうって思えました!これからも皆さん応援してます! (2014年3月21日 13時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)
ちー。(プロフ) - お疲れ様でした! 本当に楽しかったです!! ありがとうございました! (2014年3月21日 8時) (レス) id: 1a53920cc9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ姫@蛇足厨(プロフ) - 卒業リレー!?もう、嬉しすぎますヾ(^▽^)ノ私今年卒業するのでとても、嬉しいですヾ(^▽^)ノ (2014年3月10日 16時) (レス) id: 20f7776008 (このIDを非表示/違反報告)
咲和@甘党加湿器はネ申(プロフ) - そそそ卒業リレー!えっとありがとうございます!← 私今年卒業なのでとっても嬉しいです!皆さん応援してます!頑張ってください! (2014年3月7日 18時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:graduation x他9人 | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2014年2月25日 16時

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