【3/15】Promise of that day young.＠音亜 ページ15
桜の咲き始める季節、3月。
私は中学校の卒業式を終え、早咲きの桜を見上げていた。
この時期になると思い出す、幼い頃の約束。
あの子は、覚えているだろうか。
*
幼稚園の卒園式の後、一人の男の子に、用具倉庫裏に呼び出されたんだっけ。
"式が終わった後、倉庫の裏の桜の下で待ってて"って言われて。
その頃1番仲が良かったのがその子で、いつも一緒に遊んでいたよね。
私はぼんやりと、今より数段大きく感じる桜の木を見上げて、待っていたんだ。
「――――A、ちゃん」
名前を呼ばれて振り返った先には、今にも泣き出してしまいそうなあの子が立っていて。
えぇと、あの子の名前、なんだったっけ。
「…あ、天月くん。……どうしたの？」
そう、名前は天月くん。
泣きそうな目に気付いて、私がそう問いかけると、
あの子…天月くんは、俯いて口を開いて。
「…おれ、今日ひっこすんだ。お父さんのしごとで……だからもう、会えないんだ」
「…え、やだ、やだやだっ!」
辛そうに顔を歪めて無理矢理笑った天月くんに、私は泣いて抱きついて。
そんな私を天月くんは優しく抱きしめ返して、頭を撫でてくれたんだっけ。
「けっこん、しよ?」
「……え?」
幼い頃の私は、彼の言葉をすぐに理解できなくて。
涙を流しながらきょとんとする私を見て、天月くんは優しく微笑んで。
「けっこんしたら、お父さんのしごとでとおくに行かなくていいし、
……それにおれ、Aちゃん、すきだもん」
「うん、けっこんする…!わたしも、天月くん、すき……っ」
"結婚"という言葉より、あの頃の私は"遠くに行かなくていい"という言葉に
とっさに答えたんだよね。
でも天月くんは、嬉しそうに笑って。
「でも男は18さいにならないとけっこんできないんだ」
「…っ、なんでぇ?」
再び泣き出した私を落ち着かせるために、もう一度優しく頭を撫でてくれたんだっけ。
「だから、大きくなったらぜったいにむかえに行くから」
「ほんとう？ぜったい？」
「うん、やくそく」
*
それで、指切りの代わりにキスをして。
もう何年前になるのかな。
どうしても忘れることのできない、あの日の約束。
あの子は、天月くんは、覚えているのかな。
本当に、迎えに来てくれるのかな。
「―――――見つけた。Aちゃん」
高校で、格好良くなった彼が迎えに来るのは、また別の話。
――――Promise of that day young.――――
―――――幼いあの日の約束。―――――
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相川りい＠千里嫁(プロフ) - ああああああ参加できなくてすいません！！いろいろあって！いやもう言い訳通用しませんよね！ごめんなさい！でもみなさんの文章素敵です！ (2014年3月25日 16時) (
レス) id: 270c8cb67b (このIDを非表示/違反報告)
咲和＠甘党加湿器はネ申(プロフ) - お疲れ様でした！昨日卒業式でした(´；ω；｀)この小説見て中学でも頑張ろうって思えました！これからも皆さん応援してます！ (2014年3月21日 13時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)
ちー。(プロフ) - お疲れ様でした！ 本当に楽しかったです！！ ありがとうございました！ (2014年3月21日 8時) (レス) id: 1a53920cc9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ姫＠蛇足厨(プロフ) - 卒業リレー！？もう、嬉しすぎますヾ(^▽^)ﾉ私今年卒業するのでとても、嬉しいですヾ(^▽^)ﾉ (2014年3月10日 16時) (レス) id: 20f7776008 (このIDを非表示/違反報告)
咲和＠甘党加湿器はネ申(プロフ) - そそそ卒業リレー！えっとありがとうございます！← 私今年卒業なのでとっても嬉しいです！皆さん応援してます！頑張ってください！ (2014年3月7日 18時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：graduation x他9人 | 作者ホームページ：ありません
作成日時：2014年2月25日 16時
